寄贈された本をNPOが無料で貸し出す「民間図書館」の運営が、窮地に立っている。東日本大震災の影響で寄付や協賛が激減したためだ。「家から歩いていける距離に、交流拠点としての図書館がある街をつくりたい」と、運営するNPOは寄付を募っている。 「この本読んだ? 面白かった?」。習志野市のUR都市機構袖ケ浦団地ショッピングセンターにある民間図書館では団地住人たちが本を片手に会話を弾ませる。 本好きの工藤隆義さん(67)は、常連の利用者からボランティアになって本の貸し出しを担当している。「行くところもないし、ひとの役に立っているんじゃないかって自己満足ですよね」 ひとり暮らしの阿部勝利さん(74)は、毎日午前11時から午後3時ごろまでを過ごすという。「みんなで話ができるのがいいね。ここに来ないと、工藤さんに心配かけるし」と笑う。 運営するまちづくりNPO「情報ステーション」(船橋市)は200