【モスクワ=副島英樹】ロシアのセルジュコフ国防相は19日、訪問先のフィンランドで、ロシアへの脅威が欧州で発生した場合、欧州にあるロシアの飛び地・カリーニングラード州に新型ミサイルシステム「イスカンデル」を配備すると述べ、欧州でミサイル防衛(MD)配備を検討する米国の動きを牽制(けんせい)した。インタファクス通信が伝えた。 オバマ米大統領は昨年、ブッシュ前政権がポーランドとチェコで計画していた長距離ミサイル対応のMD施設配備を中止すると表明したが、それに代わる中短距離ミサイル想定のMD施設をポーランドやルーマニアに配備することを検討し、ブルガリアでの配備も浮上している。 これに対し、ロシアは「米国からの説明を待つ」との立場をとりながらも、警戒感を表明していた。 ブッシュ政権が進めたMD計画に対し、ロシアは、米国の真の狙いはロシアの大陸間弾道ミサイル(ICBM)の無力化にあると強く反発。