昨今、企業と顧客が一緒になって価値をつくり出す「価値共創」が大きな注目を浴びている。なぜ、このような動きが加速しているのか。そこには「グッズ・ドミナント・ロジック」(G-Dロジック)から「サービス・ドミナント・ロジック」(S-Dロジック)への転換という、従来とは異なるサービス観に基づいて経済活動や経営論理を捉え直そうとする大きな議論の流れがあった。 本連載は「サービス・マネジメント」の第一人者である一橋大学大学院の藤川佳則准教授が、〈無印良品〉や〈ウェザーニューズ〉、〈KOMTRAX〉などの事例を交えながら、競争優位の源泉となる価値共創の論理をひも解いていく。また、近年話題の行動観察やビッグデータなど、顧客の無意識や暗黙知に迫る手法との関連についても考察する。全3回。 モノとサービスは競合し、協力し、融合しつつある 私の専門の一つに「サービス・マネジメント」という分野がある。 比較的若い学