自転車が加害側となる交通事故が相次ぐ中、被害者側への損害賠償などに備えて保険に入る人が増えている。 約9520万円という高額の賠償を命じた4日の神戸地裁判決を受け、損害保険会社には「どんな商品があるのか」との問い合わせが急増しており、この傾向は加速しそうだ。一方で運転マナーの悪化も指摘され、識者らは「まずは事故防止のため、安全意識を高めることが急務だ」と警鐘を鳴らしている。 ◆自動車と同じ 「まさか、1億円近くの賠償なんて。手軽な乗り物が、場合によってはとんでもない凶器になると改めて感じさせられた」と、神戸市内で自転車販売店を営む男性店主(44)は言う。 約20年間営業している別の店主(41)も「被害者だけでなく加害者にとっても、事故は大きな不幸なのだと思い知った」と話す。 道交法では、自転車は自動車と同じ「車両」で、刑事罰の対象にもなる。交通事故訴訟に詳しい加茂隆康弁護士(第一東京弁護士