第一次安倍政権で経済財政諮問会議委員も務めた日本を代表する経済学者が、今後の日本にとって必要な経済政策を論じたのが本書である。その主張は、「はじめに」で書かれている以下の一節に集約されるだろう。「2010年代の、日本経済の最大のリスク要因は政府債務である。(略)本当に手遅れにならないうちに、財政政策の舵を切ることが大切だ」。 財政再建の重要性を訴える書物や提言は少なくない。その中で本書が独特なのは、どちらかといえば国際金融の分野などを中心に幅広く日本の経済政策のあり方を論じてきた著者が、様々な政策の中で何が必要かを検討した結果を示している点だ。はじめに財政問題ありきの議論ではない。だから冒頭で「経済政策を論じた本」と紹介したのである。 著者には、インフレターゲティングに関する著作もあるし、規制改革に関する論考も多い。本書でも金融政策による打開の可能性や、規制改革や成長戦略による財政状況改善
人手不足が広がっていると言われている。 日本銀行が四半期ごとに発表する日銀短観の「雇用人員判断DI」は、企業からみた人員の過不足感を示しているが、2014年に景気回復が止まる中でも、人手不足感は強まり続けた。 失業率3.5%と人手不足の関係をどう読むか 直近の2015年3月調査短観においても、景況感の改善がわずかだった一方で、企業が一段と人手不足感を感じていることを示していた。こうした中で、「家計への調査」という側面もある失業率が3.5%まで低下しており、これ以上失業率の低下が見込みにくいという見方もある。 もし、失業率のさらなる低下に限界があり、マクロ経済全体で人手不足感が強まっているならば、日本経済はすでに「成長の天井」に接近しつつあり、総需要刺激を行ってもそれは実質成長率を高めずに、インフレ率を高めるだけになる。そうであれば、日本銀行による金融緩和など総需要刺激政策のメリットに、期待
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フランス人経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』(みすず書房)が大きな話題となった。経済学書であり、6000円近い価格にもかかわらず、ベストセラーとなった。人々がこの著書に引き付けられたのは、“格差”がどのように発生し、拡大するのかというテーマにあったのだろう。ピケティの登場は、明らかに日本に何かを投げかけた。それはアベノミクスという経済政策が進められていく中で、国民の多くが感じている格差ではないのか。 デフレ経済脱却を目指して進められている安倍晋三政権によるアベノミクスは、日本銀行による異次元緩和を通じて円安の恩恵をもたらし、日経平均株価の上昇を演出した。消費者のセンチメント(市場心理)は、「景気が回復するかもしれない」という期待感に膨らんだ。 しかし、その一方で生活保護受給者は過去最多を更新し続け、非正規雇用はアベノミクス開始前よりも増加、また、年収が200万円に満たない、いわ
根本陸夫伝~証言で綴る「球界の革命児」の真実 連載第34回 伊東勤(ロッテ)、工藤公康(ソフトバンク)、田辺徳雄(西武)、大久保博元(楽天)。2015年のパ・リーグは、6球団のうち4球団の監督が西武出身である。いずれも1980年代後半から90年代前半にかけて、黄金時代を築いたチームに在籍していた。 ちなみに、昨年のパ・リーグの開幕を振り返っても、伊東のほかに伊原春樹(西武)、秋山幸二(ソフトバンク)と、3球団の監督が西武出身だった。日本のプロ野球史上、そのように多くの指揮官を輩出した球団は、他に巨人しかない。共通項は黄金時代だ。 1965年から73年まで、巨人は川上哲治監督のもと、空前絶後の日本シリーズ9連覇を達成。この”V9”という黄金時代に在籍した選手たちが、のちに巨人のみならず他球団の監督になっていった。「勝つことを熟知している者にチームを託す」という点で共通している。 まず、巨人の
論説副主幹が週刊誌の連載コラムで自分の新聞の社説を真っ向から斬り捨てる--前代未聞だろう。 発端は3月14日の東京新聞社説。「財政健全化計画 ご都合主義は通用せず」と題して、政府が財政再建の目標に債務残高のGDP比の縮小を追加する策を出したことを批判。 これに対し『週刊ポスト』(4・17)のコラムで長谷川幸洋氏(東京新聞・中日新聞論説副主幹)が噛(か)みついた。 〈この主張(東京新聞社説)は分子ばかりに注目した誤り〉〈主張は本末転倒なのだ〉 今や朝日より左寄りだといわれる東京新聞で、思い切った発言を続けている長谷川さん。『ポスト』のコラム、「長谷川幸洋の反主流派宣言」、毎号愛読しているのだが、論説副主幹といえば当然、社説作成に関わっているハズで、そのへんはどうなっているのか。 ついでだが、なぜ長谷川さんが堂々と社の方針に反することも書けるかについては『WiLL』3月号で、長谷川さん自身が書
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