上野「まだ18だし、何も知らない頃だった」 それから毎年ではないが、1月になると同じように合宿をともにした。 千賀は、支配下選手になり、中継ぎでオールスターに選ばれるまでになり、そして先発ローテ入りしてからも成長は止まることなく日の丸を背負ってワールド・ベースボール・クラシックで大活躍し、日本を代表するピッチャーになっていった。 その過程を上野は見てきた。 「鴻江先生の合宿って、1月でもキャッチャーを座らせて結構投げるじゃないですか。この時期だから5割の状態でもなくて、2、3割かもしれないけど、それを踏まえて『こういう球を投げるんだ』と思えることが自分の刺激になるんです。あとはグラウンド以外でも一緒に過ごすので、やっぱりいい選手って気づきとか、ちょっとした仕草とか違うんですよね。具体的に説明するのは難しいけど、ずっと見ていると分かるんですよ。 千賀投手は最初からすごいボールは投げていたけど