財務省は、長期金利が現行試算の前提である2・1%よりさらに1%上昇し、名目成長率の想定(3%)を超える金利水準となった場合、国債の利払い費が従来見込みより8000億円も増えるという試算を財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会に示した。この試算は何を意味するのか。 財務省の資料は、毎年の予算審議に合わせてまとめる「後年度影響試算」だ。従来試算では2025年度の利払い費は金利2・1%で11兆1000億円だったが、金利が3・1%だと11兆9000億円となる。 分科会後に記者会見した増田寛也会長代理は「金利の上昇による利払い費の増加が、財政の悪化につながるということが共有された」と述べたという。 一般論として、金利の変化によって財務状況がどのように変化するかを把握することは極めて重要で、「金利変動リスク」などと呼ばれている。これを定量的に把握するために、金融機関などは「ALM(資産・負債の総
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