ピアノのリサイタルもオーケストラも何も行われなくとも、なぜ音楽をやれたのか。思い出せる限りで、気になったことを書いてみる。 かつての小学校は、月末土曜だけ集団下校を行っていた時期があった。その下校する児童が、しゃべり声とともに自分の家の前を通っていく。もちろん私のピアノの音はその児童に届いていただろう。 小学校まで、道があまりにも単純すぎたため、クラスメートの声が、前方100m以上前にいる私に筒抜け。女子の声なのに、きれいに聞こえる。 目の前の文房具屋には、必ず自転車が3台くらい止まっていて、チェーンの音が必ず聞こえた。 路が行き止まりだったため、Uターンしてくるバスの運転音。 まだ冷房のないバスの警笛。 神社にいる猫に、煮干しをあげると、鳴かずに食べてきたが足音は聞こえた。 考えられないような薬屋の沈黙。 下級生のやってた「アトランチスの謎」のBGMがドアから聞こえていた。 空き地を走り