タグ

ブックマーク / econ101.jp (32)

  • ノア・スミス「アメリカで肥満率がついに下がりだしてる」(2024年10月14日)

    「アセトアミノフェン / ほらお薬だよ / ああキミったら」 ―― The White Stripes 大きな吉報がやってきた.何十年も手が付けられないほど上昇を続けた末に,ついにアメリカの肥満率が下がりだしてる.国民健康栄養調査(医師の診察にもとづくすごく信頼できるデータソース)から得られたデータをジョン・バーン=マードックが分析したところ,2020年以降に肥満率が下がってきているのがわかった: Source: John Burn-Murdoch このグラフにはひとつ問題点があるのには留意したい(折れ線の末尾に矢印を描くと誤解を招くのにいまだにジョンが矢印をつけてるのとは別の問題点だ).実際の国民健康栄養調査データは2年の時間をかけて収集されている.だから,バーン=マードックが「2023年」とラベルを貼ってるデータは,実のところ2021年8月から2023年8月までのデータだ.このちょっと

    ノア・スミス「アメリカで肥満率がついに下がりだしてる」(2024年10月14日)
    lli
    lli 2024/10/14
    事実はわかったのだがその機序については仮説の域を出てないな
  • ノア・スミス「中国,マクロ経済の現実に目覚める」(2024年9月30日)

    2週間前の記事で,中国が総需要不足に苦しんでるって話をして,解決法も論じておいた(日語版).その解決法とは,中央政府が A) 銀行と地方融資平台に救済措置をとることと,B) 財政・金融の両方で刺激策を打つことだ. ひょっとして,習近平がぼくのブログを読んだのかもね [n.1].中国は,もっと格的な刺激策を打ち出している: この火曜に,中国人民銀行は,世界中に生中継するという珍しいかたちをとって記者会見を開き,市場心理に息を吹き返させるための先陣を切った.いわばこれまで温存していた武器庫を開いて,株式市場に資金を投入し,借り入れコストを引き下げるという.その翌日にも引き続き前向きなニュースを提供した.すなわち,市中銀行を対象とする1年間の融資の金利〔政策金利〕を記録的な下げ幅で引き下げつつ,政府が異例の現金給付を実施するとともに,仕事のない新卒者の一部を対象に補助金を出すことを発表した.

    ノア・スミス「中国,マクロ経済の現実に目覚める」(2024年9月30日)
    lli
    lli 2024/10/04
    不良債権そのものの買取もやった方がいいとは思うけど、もっと本質的な問題は経営責任を取らせる方法がないこと。銀行は共産党の責任で経営してるので。
  • ノア・スミス「いや,移民はアメリカ人の雇用を奪っていないよ」(2024年8月18日)

    政治的な党派は,それぞれに,自分たちが優位に立てる論点を必要としてる.バイデンのもとで雇用市場は信じられないほどの堅調が続いているので,各種の右派は自分たちに「ちがうちがう,ホントは物事は酷いことになってるんだ」と言い聞かせるための理由を必要としている.そういうお得意の論点のひとつが,これだ――「雇用はみんな外国人にもっていかれているし,アメリカ人は移民に取って代わられている.」 ひどく誤解を招くグラフについては,つねづねみんなに注意喚起してる.上のグラフも,まさにそういうやつだ.このグラフは,以前の記事で誤りを論じてきた.左右に別々の軸を使うことで,アメリカ生まれの人たちの雇用の減少が,外国生まれの人たちの雇用の増加よりもずっとずっと小さいってことが見えなくなってしまっている.というか,アメリカ生まれの人たちの雇用がわずかに減少しているのすら,ひとえに,ベビーブーマー世代の大量退職による

    ノア・スミス「いや,移民はアメリカ人の雇用を奪っていないよ」(2024年8月18日)
    lli
    lli 2024/08/25
    他の国についても同じなんだろうか
  • ハンナ・リッチー「環境に良いとされている生活習慣(ビニール・プラスチックの代わりの紙袋、地産地消)は実際には環境に良くないことが多い」(2022年9月5日)

    効率的な環境保護活動に罪悪感を感じるのはなぜだろう? 私の作ったグラフは、環境保護についてのポスターに使われるかもしれないが、私自身は環境保護活動のポスターガールには絶対にならない。 私が事を作っているのを見れば、環境破壊しているようにしか見えないだろう。ほぼ電子レンジしか使わない。調理にはほとんど時間をかけない。調理に10分以上かかる事は〔環境保護の観点からは〕べる価値はない。私はほぼパッケージ化されたものをべている。アンゴラ産アボガド、メキシコ産バナナなどだ。地元で作られた材はほとんどない。地元産かどうかについて気にして、ラベルをチェックする必要もない。 これは「持続可能」と思われている行為と正反対だ。我々の脳裏にある「環境に優しい事」のイメージは、地元の市場からの仕入れ、有害な化学物質を使わない有機(オーガニック)農場での生産、プラスティック梱包よりも紙バッグでの持ち帰り

    ハンナ・リッチー「環境に良いとされている生活習慣(ビニール・プラスチックの代わりの紙袋、地産地消)は実際には環境に良くないことが多い」(2022年9月5日)
    lli
    lli 2024/08/16
    “確たる事実や数字で納得させようとしても、それだけではおそらく不十分だろう。私たちの行動が純粋な合理性に基づいていることはめったにない。物事をどのように感じるのかが鍵だ” コロナ禍で如実だったもんな。
  • ノア・スミス「中国製品への関税で他の多くの国々がアメリカのあとに続くだろう理由」(2024年5月19日)

    経済学には,「シュタッケルベルグ競争ゲーム」っていう古い理論がある.あらゆる企業が同時に自分たちの商品・サービスの価格を設定するんじゃなくて,ひとつの重要な企業が価格を設定して,残りの企業のペースを定めてしまうんだ.最初に動く先行者とその追随者がいる状況では,基的にこのゲームが現実を単純化した表現になっている(先行者も追随者も,それぞれ単数かもしれないし複数かもしれない).シュタッケルベルグ・タイプのモデルを使って,国際貿易政策を分析している人たちもいるし,ごくわずかだけど,アメリカ-中国間の競争にこの考えを応用している人たちもいる. いずれ,いま世界中で起こりつつある貿易戦争についてシュタッケルベルグ・タイプの論文を書く人もそのうち現れるんじゃないかとぼくは見てる.一般に,中国がこのゲームでの「先行者」だ.なにしろ,中国の送り出してる洪水のような輸出製品によって他の国々は保護主義的な対

    ノア・スミス「中国製品への関税で他の多くの国々がアメリカのあとに続くだろう理由」(2024年5月19日)
    lli
    lli 2024/05/24
    デフレが好きな日本国民はあっさり受け入れる可能性がある。高齢者は特に。
  • ノア・スミス「移民流入の害は,いっこうに実証に現れない」(2024年5月10日)

    移民受け入れを支持する人間として,ぼくは懐疑的な人や批判的な人に耳を貸すようにつとめてる.どんな国にも,自らがのぞむならどんな人間でも招き入れる権利がある――あるいは,入国を拒否する権利がある.移民の流入で自分たちの文化が変わってしまうのを人々が心配しているなら,それは完璧に許容されるべき態度だ. ただ,それと同時に,移民流入制限派の人たちは移民受け入れにともなう経済的な害悪をあれこれとたくさん主張している――賃金低下,政府財政への負担,などなど.それでいて,そういう主張はずっと証拠と矛盾しつづけている. たとえば,多くの証拠から,移民流入は――低技能移民の流入ですら――現地生まれの人たちの賃金や雇用の見通しに悪影響を及ぼしていないことが明らかになっている〔日語版記事〕.最近出た Michael Clemens & Ethan Lewis の論文を見てみると,この研究はとても「きれい」な

    ノア・スミス「移民流入の害は,いっこうに実証に現れない」(2024年5月10日)
    lli
    lli 2024/05/13
    意外だ。すごい。ただ自分でももう少し調べてみる。各国や地域で前提条件が異なるが一般化できるものなのだろうか。
  • ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)

    通説では,1990年にかの不動産バブルがはじけてから日は「失われた○十年」に苦しんできたという話になっている.実のところ,一人あたり GDP を見ると,他の豊かな国々にくらべて日の実績が見劣りしはじめた起点は1990年ではなく1997年に思える.97年といえば,アジア金融危機のあった頃だ. この「失われた○十年」論に対して典型的に向けられる反論では,こう語られる――日が停滞しているように見えるのは,大半が人口の高齢化によるものであって,実際の生産性で見ると日は2000年頃から問題なくやっている.新しく出た Fernandez-Villaverde, Ventura, & Yao の論文は,こう主張している: 多くの先進諸国では,この数十年で,高齢化にともなって,一人あたり GDP成長と労働年齢の成人一人あたり GDP 成長のちがいは大きくなってきている.日のように一人あたり GD

    ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)
    lli
    lli 2023/11/28
  • ノア・スミス「シリコンバレー銀行はなぜ経営破綻したのだろう?」(2023年3月11日)

    そして、今回の事件はスタートアップ企業や金融システムにどのような影響を与えるのだろう? 現在、テック・金融業界の双方で大きなニュースとなっているのが、シリコンバレー銀行の経営破綻だ。SVB(シリコンバレー銀行)は、知られているように、スタートアップ企業(「スタートアップ」とは認知度がまだ高くないテック企業)に多額の資金を融資し、スタートアップ企業や他のテック企業に様々な金融サービスを提供していた銀行だ。ここに良いまとめ記事がある。 「何が生じたか」と過去形を使ったのは、木曜日(つまり昨日)、多くの人が、SVBから預金を引き出したからだ。SVBは、お金の返却を求める人たち全員に支払うだけの現金を保有していなかったため、経営破綻することになった。銀行の経営破綻の予防と救済を行っている政府機関FDIC(連邦預金保険公社)は、SVBを管理下に置いた。 これは何を意味しているのだろう? まず、SVB

    ノア・スミス「シリコンバレー銀行はなぜ経営破綻したのだろう?」(2023年3月11日)
    lli
    lli 2023/03/22
    一応ティールを擁護すると彼の個人資産の多くがSVBに預けたままとなっており、救済策がなければ相当の資産を失う羽目になっていたようだ。
  • ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)

    [Noah Smith, “The weak yen is an opportunity,” Noahpinion, November 24, 2022] じゃあ,なんで日はその好機を利用してないのさ? ぼくが日にはじめて暮らしたのは,2000年代中盤のことだった.当時,円の値打ちはすごく覚えやすかった――だいたい,1ドル=100円だったからだ.どんなものでも,日で値札を見かけたら,頭の中で100で割ってやればだいたいどれくらいの値段なのかつかめた. 「1ドルだいたい100円」為替レートの時代は,約30年続いた.そして,2022年3月に,なにかがブツンといった.円が下がりはじめて,10月には少しのあいだとはいえ1ドル150円にまで下がって,それから1ドル140円にまで少しもどした: Source: Xe.com ドルにかぎらず,日の実質為替レートはあちこちの貿易相手国に対しても下が

    ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)
    lli
    lli 2022/11/27
  • ノア・スミス「安倍晋三のもとで大きく変わった日本」(2022年6月4日)

    [Noah Smith, “The Japan that Abe Shinzo made,” Noahpinion, June 4, 2022] この半世紀で最重要の首相がもたらした3つの大きな変化 今回で,日に関するシリーズは5目になる.これが最後だ.第1回目(翻訳)では,日の生活水準が低めなことを嘆いて,現金ベースの福祉政策を提案した.第2回目(翻訳)では,日が経済成長を加速させるのに使えそうな産業政策をいくつか提案した.第3回目では,日の停滞した企業文化とその直し方を論じた.第4回目では,日のポップカルチャーに関する2冊の書評を書いて,日が経済面で衰退しつつもそのポップカルチャーが世界を制覇したあらましについて述べた. この20年というもの,定期的に日を訪れている.でも,今回の日旅行ではとくに強い印象を受けた.2002年にはじめて日に来たときから,この国の感触

    ノア・スミス「安倍晋三のもとで大きく変わった日本」(2022年6月4日)
    lli
    lli 2022/06/10
    労働供給ばかり増えて消費需要は依然として足りないまま。人口減少で今後も消費は減ることを前提に、適切なペースで生産、正確に言えば国内消費市場への供給を減らす必要があるのだと思う。撤退戦は始まったばかり。
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
    lli
    lli 2022/05/24
    目新しい情報はないけどこうやって並べるとなかなか圧があるな
  • ノア・スミス「みんなが待ち望んでいた授賞:カード、アングリスト、インベンスのおかげで経済学はより科学的になった」(2021年10月12日)

    Noah Smith ”The Econ Nobel we were all waiting for -Card, Angrist, and Imbens have made econ a more scientific field.-“, Noahpinion, October 12, 2021 新しい考えは全てを疑いに持ち込み、 火の元素は完全に消失し、 太陽も大地も失われ、誰の知恵をもっても どこを探すべきかは教えてくれない ジョン・ダン 2021年のノーベル経済学賞は、その実証経済学における業績によってデビッド・カード、ジョシュア・アングリスト、グイド・インベンスが受賞した。誰がノーベル経済学賞を受賞するかを予測するのにはとっても簡単なやり方がある。その分野においてまだ受賞してない最も影響力のある人たちを並べて、ミクロ理論家が2年連続で受賞することはないと仮定するんだ。最も影響力の

    ノア・スミス「みんなが待ち望んでいた授賞:カード、アングリスト、インベンスのおかげで経済学はより科学的になった」(2021年10月12日)
    lli
    lli 2021/10/14
  • ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)

    [Noah Smith, “People are realizing that degrowth is bad,” Noahpinion, September 5, 2021] 脱成長論者が提唱してる狂った構想は,地球を救う物の対策からぼくらの気をそらしてしまう幻想だ. 「脱成長」を唱える人たちがいる――地球を救うために経済成長を停止する必要があるのだと,彼らは言う.今回は,これがすごくダメなアイディアである理由を解説する長文記事を書くつもりでいた.ところが,ぼくが書くまでもなく,すでにそういう文章を書いてる人たちやポッドキャストで語ってる人たちが他にいる.たとえば,ブランコ・ミラノビッチ,ケルゼイ・パイパー,エズラ・クラインといった人たちだ.そこで,かわりに今回は各種の脱成長論をカタログにまとめて,その要点をとらえることにしよう. ただ,その前にまずは,標準的な主張を見ておこう.そうす

    ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)
    lli
    lli 2021/09/25
  • アレックス・タバロック「ヒスパニック系と白人の犯罪率が同水準になりつつある」(2021年8月29日)

    [Alex Tabarrok, “Hispanic and White Criminality are Converging,” Marginal Revolution, August 29, 2021] ヒスパニック系と白人の犯罪統計がどんな風に収束してきてるかについて,キース・ハンフリーズ〔心理学者〕が秀逸な Slow Boring でいい記事を書いてる. 収監に関する政府の新しい報告書はおおよそ退屈だけれど,ひとつだけ目を見張る事実が記載されてる:ヒスパニック系は,いま白人に比べてわずかながら収監される確率が低い.刑事司法においてヒスパニック系と非ヒスパニック系白人に見られる各種の落差が狭まってきているのをうかがわせる兆しは複数あるが,いまなお正当に評価されていない.収監される率もそのひとつだ.これは,将来の改革や選挙政治のどちらにとっても重大な含意をもっている. 一点,はっきりさせ

    アレックス・タバロック「ヒスパニック系と白人の犯罪率が同水準になりつつある」(2021年8月29日)
    lli
    lli 2021/09/08
    ヒスパニックとの差が縮まることは他の差別が解消に向かっていることを意味しないのに注意
  • タイラー・コーエン「どうしてメキシコの書店では本にシュリンクをかけたまま販売してるの?」(2021年7月25日)

    [Tyler Cowen, “Why do they keep the books wrapped in Mexican bookstores?” Marginal Revolution, July 25, 2021] そう,透明なビニールで包装したままってこと.だから,店頭でページをめくれないし,中身がどんな感じか眺めるのもかなわない.いくつか仮説が思いつく: #1. メキシコの書店は,買いもしない客に店頭で立ち読みされたくない.昔のアメリカにあった漫画のニューススタンドに少し似てる.でも,漫画よりもずっと長いやたいていの小説には,これは当てはまりそうになく思える. #2. 書店としては,の見た目があまり薄汚くならなまま,きれいに保っておきたい. #3. 価格差別については,どうだろう? 読者が2種類いたとしよう.片方はより貧しい読者たちで,当にいいものだとわかったしか買わない.

    タイラー・コーエン「どうしてメキシコの書店では本にシュリンクをかけたまま販売してるの?」(2021年7月25日)
    lli
    lli 2021/07/30
    そういう店ばかりじゃないけど、万引き防止のためにバッグを預けさせられる。それはそれで怖かったけど。
  • ノア・スミス「出生率の話を書くのはほんとにたいへん」(2021年5月10日)

    [Noah Smith, “Writing about fertility is really hard,” Noahpinion, May 10, 2021] 出生率は重要な経済問題だけれど,レトリックの海域には危険がいっぱい. “Between Scylla and Charybdis” by Cea., CC BY 2.0 出生率という話題は,とても扱いにくい.子供をつくるかどうかを決めるのはごく個人的な問題で,その判断に政府が介入すべきじゃない.でも,それと同時に,全体としての人口の増加は,一国の経済にとってすごく重要だ.そういうわけで,経済の観点で出生率について書きたいと思ったら,「みんなの選択の自由を侵害するのを主張してるんじゃないんですよ」ってことをはっきりさせて執筆する必要がある. ざんねんながら,こういうアプローチをとらない人たちもいて,自分の(たいてい右翼的な)文化政治

    ノア・スミス「出生率の話を書くのはほんとにたいへん」(2021年5月10日)
    lli
    lli 2021/05/12
    大半が愚痴で笑う
  • ビル・ミッチェル「政府のBSとか愚かな道を行き続けるIMF」(2018年10月16日) — 経済学101

    Bill Mitchell, “IMF continues to tread the ridiculous path“, Bill Mitchell – billy blog, October 16, 2018. オーストラリアに戻ってきて、何か書くにも一苦労という状況から脱した(出張中は毎日異なる所に行っていて日常を保つのが精いっぱいだったのだ)。さて先週、IMFは – Fiscal Monitor October 2018 –というものを発表した。主流の金融マスコミは、この文書で明らかにされた財務状況に引き続き、あらゆる種類の厄災シナリオが続くことだろうとはやし立てた。これが出た日、私はロンドンにいたのだが、英国のマスコミはIMFの発表で発狂していた。政府のバランスシートを元通りに戻すためには、増税して財政黒字を維持したり増やしたりする必要があるなどと予測していたのだ。そう、自国の通貨

    ビル・ミッチェル「政府のBSとか愚かな道を行き続けるIMF」(2018年10月16日) — 経済学101
    lli
    lli 2018/10/25
  • サイモン・レン=ルイス 「名目賃金は実質賃金とちがう――それがイギリスで重要な理由は」(2018年5月30日)

    [Simon Wren-Lewis, “Nominal wages are not real wages, and why it matters in the UK,” Mainly Macro, May 30, 2018] この記事は,先日のクリス・ディロウのツイートを敷衍したものだ.この件についてもっと書いておく値打ちはあると思う.ここには,左翼・右翼を問わず広く誤解された問題が映し出されているからだ.次のグラフを見てもらおう.1948年からの総所得のうち,従業員報酬が占める割合と企業利益が占める割合を示してある.あくまでイギリスについてのグラフであることに留意してほしい.アメリカでは事情が異なる. 1948年までさかのぼってあるのは,賃金が占める割合が変わりうることを示すためだ.賃金の割合は1950年代から20世紀末まで低下していった.60% から 50% への低下だ.だが,その同じ

    サイモン・レン=ルイス 「名目賃金は実質賃金とちがう――それがイギリスで重要な理由は」(2018年5月30日)
    lli
    lli 2018/06/14
  • サイモン・レン=ルイス「マクロ経済学は近年の経済史の説明を諦めてしまったのか?」

    [Simon Wren-Lewis, “Did macroeconomics give up on explaining recent economic history?” Mainly Macro, April 19, 2018] フィリップス曲線がまだ存在しているのかどうかをめぐる論争が続いている.ひとつには,さまざまな国で,かつてならインフレ率上昇につながっていた水準にまで失業率が下がっても今回は賃金インフレがかなり安定している状況を受けての論争だ.まず間違いなく,これには2つのことが反映されている:隠れた失業が存在していることと,NAIRU〔インフレを加速させない失業率〕が下がっていること,この2つだ.イギリスに関しては双方について Bell & Blanchflower を参照. NAIRU が時とともに徐々に動きうるというアイディアから,こう主張し始めた人も多い――「フィリップ

    サイモン・レン=ルイス「マクロ経済学は近年の経済史の説明を諦めてしまったのか?」
    lli
    lli 2018/05/05
    ときどき見直しが必要よね。日本の自然失業率が3%切ってたと今になって言えるけど、これまでは3%強と思われていたわけだし。派遣法やら一億総活躍やらで労働力の供給増やしすぎて結果的にデフレとか悪い冗談だよ。
  • デイヴィッド・ベックワース「FOMC はインフレ目標をいくらか超過させてもいいと見てる」

    [David Beckworth, “Why Yes, the FOMC Would Like Some Inflation Overshoot Now,” Macro Musings Blog, April 12, 2018] 連銀は,対称的な2パーセントインフレ目標をもっている.2017年と2018年の「長期目標と金融政策についての声明」で,FOMC はこう述べている: 2パーセントのインフレは(…)連銀の法定義務と長期的にもっとも整合するものというこれまでの判断を委員会はあらためて確認する.インフレ率がこの目標を継続的に下回ったり上回ったりした場合,委員会はこれを懸念する.この対称的なインフレ目標を国民に明確に伝えることで,長期のインフレ予想が堅固に定着する一助となる(…) 連銀の多くの当局者も,この点を繰り返し述べてきた.また,彼らもインフレ目標が対称的なものと考えている.このよ

    デイヴィッド・ベックワース「FOMC はインフレ目標をいくらか超過させてもいいと見てる」
    lli
    lli 2018/04/17