移民の議論になると、右派の側でも左派の側でも、たくさんの不正確で誤解に基づいた主張が飛び交う。この記事では、実証研究が実際に何を示しているのかを紹介しよう。 移民は2016年の最重要テーマだったが、2017年も重要なテーマであり続けるだろう。だが移民というのは、議論が加熱していると同時にきちんと理解されていないテーマでもある。いわゆるヨーロッパの「難民危機」、移民でパンパンに詰まったボートが地中海岸に到来するというよくあるイメージは、移民はコントロール不可能な脅威であり、大量の移民流入を制限するにはラディカルな政策が必要だ、という印象を与える。大量移民の恐怖は、ヨーロッパ中で極右のナショナリスト政党の台頭を促し、アメリカ大統領選ではドナルド・トランプの勝利に貢献した。 厳しい移民政策を求める声が上がっているのと同時に、別の意見も、やや声は小さいが出てきている。財界、人権団体や宗教組織、左派
