矢作俊彦インタビュー (1) 1998年2月27日 コメント: トラックバック (0) 1/4 小説のデジタル的解体と、ニッポンの復権! (※この記事の初出は、「Hotwired Japan」 1998年2月27日となります。) text:江坂 健 photo:安珠 矢作俊彦は、怒っている。この停滞し、明日のビジョンを示せないでいる今の日本社会に、幻滅し、無性に腹を立てているに違いない。 そう思いこんでいた。 3年から週刊ポストに連載されている「新ニッポン百景」で、バブル以降の無惨に変貌していく日本の風景をつぶさに観察して、蓄積された怒りのエネルギーは、新作「あ・じゃ・ぱ!」で、戦後日本が、東西に分断されているという偽昭和史を描かせた。 また、かっては、ダンディズムに彩られた多くのハードボイルド小説や、スタイリッシュなカー・ノベルを描いていた彼の美意識には、平成のこの日本のありようが、あま