小学校で2018年度に正式教科になる「特別の教科 道徳」の初めての教科書検定は、学習指導要領で示す「感謝」「礼儀」など、身につけてほしい内容項目の記述徹底を求める検定意見が相次ぎ、細部にわたる修正が目立った。複雑な心の内面に向き合う道徳だが、検定を経て「規格化」された姿が現れた。 伝統 パン屋→和菓子屋/敬老 おじさん→おじいさん 東京書籍が1年生の教科書で取り上げた題材「にちようびの さんぽみち」。日曜日におじいさんと散歩に出かけた1年生のけんたが、途中で八百屋のおばさんから笑顔で声を掛けられたり、友だちの家のパン屋でおいしそうなパンを土産に買ったりして、自分のまちに愛着を持つ--という設定だ。 学習指導要領で示す内容項目のうち「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」を学ぶ題材。文部科学省の審議会は「学習指導要領に示す内容に照らして扱いが不適切」と検定意見を付けた。