世界遺産の町リューベック。 旧市街を散策していると、4本の尖塔が特徴的なレンガ造りの建物が見えてきます。 聖霊病院と呼ばれているこの建物は、世界一古い社会福祉施設のひとつ。13世紀後半から1970年までのあいだ、貧しい人々を救済する施設として使われてきました。 ハンザ同盟の盟主として大きな富を築き上げたリューベック。この町に住んでいたハンザ商人たちはみな裕福でした。自らが裕福でありながらも他人を思いやる気持ちを忘れなかった商人たち。彼らは自分達で資金を出し、困った人々を助けるための施設を町の中に次々と建設したのです。 その中でも最大規模の物が、この聖霊病院。初めのうちは病院としてスタートしましたが、後に救貧院としての機能も加わりました。ここにはリューベックをはじめ、近隣の村からも貧しい人々や病人が収容されていたのです。 入り口から入ると、そこにはまるで教会のようなホールが広がっています。壁