無痛文明論 作者: 森岡正博出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2003/10/16メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 63回この商品を含むブログ (55件) を見る 非常におもしろい本だったので、もう少し考えてみよう。 無痛文明論とは、もっと気楽に生きたい、不快なことを避けたい、という「身体の欲望」が導き出す「無痛文明」を敵視し、「生きるよろこび」を再生させようとする思想であった。 しかし、『無痛文明論』一巻を読み終えたとき、ぼくは何か割り切れない、もやもやしたものを感じざるをえなかった。知的だとは思う。明察だとも感じる。ただ、そのおしつけがましさが我慢ならないような気がしたのだ。 無痛文明論では、はっきりと苦痛を乗り越え「生きるよろこび」を謳歌する人生が良い、と定義されている。無痛文明に浸りきり、日々怠惰に無自覚に生きることは口をきわめて非難される。 無痛文明に浸ること