カール・シュミットの、思想を紹介する、入門書としては、シュミットそのものの、多様な研究関心に対応して、それぞれに議論を行っているということでは、申し分ないのではないだろうか(往々にして、ナチ・コミットに議論が極論してしまう傾向がある中で)。 (半年以上前に、半分くらい、前半を読んでいて、ここのところ、残りを最後まで読んだところ。) カール・シュミットについては、政治に関心のある人たちにとっては、既知の存在であるだろうが、その重要さをどれだけ分かっているのかは、非常に問題に思える。一番単純には、丸山眞男が、戦中から、シュミットの大きな影響の中で考えていたことなどはあるのだろうが、むしろ、戦後を含めたその影響力を射程にした議論は日本では少ないようだ。 日本とドイツは、第二次大戦における「敗戦国」として、非常に大きな関係があるとともに、それぞれのその、敗戦に至る過程において、その「独立」性が興味
![大竹弘二『正戦と内戦』 - martingale & Brownian motion](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/74fcef235ba4ee674f2f1daaa889cb46804a4e80/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51aEz8T9UdL._SL160_.jpg)