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ブックマーク / rootport.hateblo.jp (9)

  • 格差の条件 - デマこい!

    マニラは夏だった。 「イントラムロスのマニラ大聖堂まで行きたいんだ。いくらですか?」 ビジネス街マカティで、私はタクシーを探していた。窓から顔を突っ込んで尋ねると、20代後半の運転手はぶっきらぼうに答えた。 「1,000ペソ」 「冗談でしょう? 200ペソが相場のはずだ」 相手はムッとした顔を浮かべる。 「オーケー、それなら300ペソでどうですか? それで嫌なら他のクルマを探します」 彼はとたんに愛想よく微笑んでドアを開けた。高級なタクシー会社を使えば300ペソ以上、しかし彼のような一般的なメータータクシーでは200ペソ少々の距離だ。私たちの利害は一致していた。 「最近は石油が高いと聞いています。大変じゃありませんか?」 「当にその通りだよ。俺たちの場合、ガソリン代は自腹だからね」 フィリピンは産油国だが、金額ベースで輸出額の約5倍の石油を輸入している。世界的な原油高と無関係ではないのだ

    格差の条件 - デマこい!
  • オタクは「右翼」が好きなの?/『シドニア』と『ガルガンティア』の比較 - デマこい!

    ニコニコ動画でアニメ『シドニアの騎士』を見ていて、のけぞってしまった。「サヨクなのにシドニアを見てる人がいるの?」というコメントが流れてきたのだ。 たしかに『シドニアの騎士』はオープニング曲が軍歌を思わせる等、そこはかとなく軍国主義っぽいテイストの作品だ。サヨクの反戦主義どもはこんなアニメを見るはずがない──、とコメントの主は考えたのだろう。『シドニア』に限らず、「オタク=右翼思想」と認識されるのは珍しくない。 ■なぜ2次元オタクはネット右翼なのか ■オタク=ネトウヨ文化克服のためのメモ ■左翼はなぜオタクから支持されないか シドニアの騎士(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 弐瓶勉出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/04/26メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る シドニア アーティスト: angela,atsuko,KATSU出版社/メーカー: キングレコ

    オタクは「右翼」が好きなの?/『シドニア』と『ガルガンティア』の比較 - デマこい!
  • 日本人が苦手な議論。あるいは、いかにして民主主義は死に至るか。 - デマこい!

    人は議論が苦手だと言われている。が、これは「自分の意見をはっきり言わない」ぐらいに理解されている場合が多いようだ。議論の種類や方法について語られることは滅多になく、無遠慮な恫喝で他人を黙らせるのが「議論の上手い人」と見なされてしまう。 ■マイケル・サンデル:失われた民主的議論の技術 マイケル・サンデルのこの講演によれば、民主主義とは物事の「質」について議論し、合意を形成していくことをいう。この社会の何が大切で、何がそうでないのか、物事の「質」に立ち返って議論しなければ判断を下せない。民主主義とはただの多数決ではなく、社会の構成員すべてが納得できる価値観を探り出すプロセスのことだ。 そして日人は、この「質について議論する」のが苦手なのだろう。 たとえば「秘密保護法反対デモの参加者は顔をマスクで隠すな! 自分の秘密は大事なのかよww」という言葉を2chで見かけた。この書き込みをした

    日本人が苦手な議論。あるいは、いかにして民主主義は死に至るか。 - デマこい!
    lotus3000
    lotus3000 2015/02/13
    これはかなり重い議論だ。保守主義どころか、一部の左派にもこの傾向はある。
  • そんなに稼いでどうすんの?/ベンチャーマインドをアップデートする - デマこい!

    私たちが生き続けるために「ベンチャーマインド」は欠かせない。 私たち人類の生存環境は、刻一刻と変化を続けている。マクロな視点では、人口動態、気候変動、国際政治の影響を受ける。ミクロな視点では、毎日のように新技術を用いたサービスが公開され、消費者の流行は日々変化を続けている。私たちは変化の中を生きている。 変化する環境のなかで生き残るのは、もっとも強いものではなく、もっとも賢いものでもない。 もっとも変化に適応的なものが生き残る。 これはヒトの生活のあらゆるレベルに普遍的な原則だ。家族、地域社会、企業、国家、そして種としての人類。どのレベルにおいても、生き残るのは変化に適応的なものだけだ。古い慣習や常識を打ち破ろうとする心 ── ベンチャーマインド ── がなければ、あらゆる組織は崩壊し、あらゆる社会は衰退する。私たちが社会を継承し、生き続けるために、「ベンチャーマインド」は必要不可欠だ。

    そんなに稼いでどうすんの?/ベンチャーマインドをアップデートする - デマこい!
  • あなたは本当にオタクですか?/オタクとサブカル、ヤンキーと体育会系 - デマこい!

    「リア充」と呼ばれる集団は、よく考えてみると二つのグループに大別できる。 一つは社会的な行動様式を持ち、高所得層にい込んでいるグループ。いわゆる「体育会系」だ。そしてもう一つは、ヤンキーと呼ばれる社会的アウトローのグループだ。近傍にはギャル・ギャル男・お兄など、やはり低所得〜中間層をボリュームゾーンとする人々が存在している。彼らの違いはどこにあるのだろう。 また近年、オタクのライト化が進んでいるという。数十年前、オタクとは好きなモノを追求する日陰者たちのことだった。しかし最近では、流行りのアイテムに次々に飛びつき、コミュニケーションツールとして深夜アニメを消費する「軽いオタク」が登場しているという。一方、オタク同様に内向的な趣味を持つ人々として、「サブカル」と呼ばれる層が存在している。では、サブカルとライトオタクとの違いは何だろう。 体育会系、ヤンキー、オタク、サブカル。 これらの生活ス

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  • 愛では地球を救えない/マスメディアの責務と報道の力 - デマこい!

    友人アメリカ人が憤っていた。 「日のマスメディアはおかしい。どうしてシリア情勢をまったく報道しないの?」 彼はパレスチナ系移民の3世で、ダマスカスに親戚がいるという。 「CNNやBBCはきちんと報道しているし、アルジャジーラは生々しい死体の映像まで流している。それに対して、日テレビ局はどうだ。まるで、この地球では戦争が起こっていないみたいじゃないか」 吐き捨てるように彼は言った。 「これでは北朝鮮中国のマスコミと同じだ」 ◆ ところで朝鮮半島とベトナムは、歴史的な背景がよく似ている。 もちろん文化的にも政治的にもまったく別の特長を持った地域だが、歴史的に歩んできたストーリーが相似しているのだ。 まず、どちらも超大国・中国から地理的に突出した漢字文化圏として発展した。朝貢・冊封を受けた王朝が次々に興り、また消えていった。複数の権力者が立ち、内乱状態になった時期もある。また、どちらも

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  • しろうとは歴史学をどう見るか - デマこい!

    中高生のころから歴史が苦手で、成績は低空飛行を続けていた。とにかく興味を持てなかった。最近になって、ようやくその理由が分かってきた。 中学・高校での歴史は「誰が」「何をしたか」を重視しすぎなのだ。 ある生物集団の生態を調べる場合、どの個体が群れのリーダーであるかはあまり重要ではない。むしろ分析対象となるのは環境と個体群との相互作用だ。ヒトの研究も、そうあるべきではないか。 だから私の場合、人類史や、それに関わる経済学的な視点を持ったことで、ようやく歴史に興味を持つことができた。生態学とは、生物と環境との経済を研究する学問だ。経済学的な視点を得たことで、ようやく歴史研究を科学の一端だと認識できるようになったのだ。 だから私は、どこの国のどの政治家が何をしたとか、何を言ったとか、あまり興味がない。その人がいなかったとしても、似たような誰かが似たようなことを発言していたのではないか……と思うから

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    lotus3000
    lotus3000 2012/08/30
    歴史における分業体制について。
  • 生涯所得を数千万円変える“本当の”情報格差/若者よ書を求め街へ出よ? - デマこい!

    私の趣味はボードゲームで、休日には友だちと集まってわいわい遊んでいる。 ボードゲームはいい。まずカネがかからない。そして一晩中でも遊んでいられる。学生、サラリーマン、フリーター、派遣、ニートetc... かなりヘテロな仲間たちがゲームひとつで仲良くなれる。 あれは友人宅でドミニオン合宿を開いたときのことだ。その家の棚のすばらしさに目を奪われた。 ◆ その友人は――自分より一回り以上年上の人を「友人」と書くのは抵抗があるけれど、四十路を回ったばかりのイケメンなおっさんで、職業はデザイン関係、国立K大学の出身であり今はフリーランスで活躍している。広々とした一戸建てに暮らし、小学生の子供が二人。絵に描いたようなリア充だ。爆発すればいいのに。家の内装は彼自身の手でデザインしたという。 そして、棚があまりにも理想的だった。 腰ぐらいの高さの棚が、リビングの壁の一面に沿って並んでいた。薄くて固い

    生涯所得を数千万円変える“本当の”情報格差/若者よ書を求め街へ出よ? - デマこい!
    lotus3000
    lotus3000 2011/08/14
  • なぜ『とある科学の超電磁砲』は不気味なのか/ノーテンキな明るさの背後に潜む「どす黒い未来予想図」 - デマこい!

    現在、絶賛放送中の深夜アニメ『とある科学の超電磁砲』 東京の西部に作られた学生と教師だけの街「学園都市」を舞台に、超能力を持った中学生たちが右往左往するお話だ。登場する超能力者たちは、放電、瞬間移動、重力操作などやりたい放題で、「科学考証? こまけえこたぁいいんだよ」という大らかなノリのSF作品である。 登場人物たちのデザインが可愛らしいこともあり、たいへんな人気を集めている。 で、その学園都市の治安が悪すぎるという疑問がある。 http://www.syu-ta.com/blog/2010/01/17/061659.shtml 学生ばかりの街だから、当然のように落ちこぼれがいる。 そして落ちこぼれたちが不良となる。そこまではいい。 しかし、落ちこぼれたちの凶悪っぷりがヤバいのだ。 第一話から銀行強盗をするし、女の子が夜道を歩けば確実に襲われる。傷害なんて当たり前、果ては拳銃さえ手に入れて

    なぜ『とある科学の超電磁砲』は不気味なのか/ノーテンキな明るさの背後に潜む「どす黒い未来予想図」 - デマこい!
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