疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。その状況が長引くにつれて増えたのがペットの飼育である。わたしもご多分に漏れず以前から計画していた犬の飼育を前倒しし、フルリモート中に子犬を育てた。 疫病の流行からはや一年半、わたしの犬はすでに成犬し、けっこうな時間の留守番ができる。おかげで短めの出社とリモート日を組み合わせて幸福なドッグライフを送ることができている(たまに壁紙を剥がされながら)。朝晩みっちり散歩してさえいればおおむね機嫌のいい、扱いやすい犬である。 夜の十時過ぎに近所の公園に行くと、犬がうようよいる。勤め人たちが連れてくるのである。わたしの犬は成犬してもまだ犬同士の取っ組み合いや追いかけっこをやるのだが、相手をしてくれるのは八割がた子犬である。小学生に混ぜてもらう中学生みたいな感じだ。かしこそうとは言いがたい。楽しそうではある。 そんなわけで飼い主である