承認欲求とか、自己愛を充たすとか、そういう欲求って、誰にでもありますし、そうした心理的な欲求に飢えている人が巷にはごまんと存在しています。誰かに褒められたい・誰かにいっぱしの人間だと保障して貰いたい・共感して欲しい……そういう欲求に誰もが飢えているという意味では、なるほど、21世紀はこころの世紀と呼べるのかもしれません。 ところで、この手の心理的でソーシャルな欲求には、厄介な性質があります。 それは「承認欲求は貯められない」という点です。 穀物やお金みたいに貯めておければ便利でしょうに、貯められないんです。 心理的な欲求を満たすのは、空腹を満たすのに似ている この点において、承認欲求とか自己愛って、穀物や貨幣よりも、食欲や睡眠欲に近い感じがします。定期的に――できれば毎日適量を――充たし続けるのが一番健康的で、一時にどれだけ沢山提供されても貯蓄が効きにくい、のですから。 人はおなかが空いて