フィギュアスケートはオフシーズンとなったが、選手は休養、来季の振り付け、技術の習得や磨き上げに忙しい。シーズン中は大会のたびに顔を合わせていても、オフは取材機会が限られてくる。こんな時だからこそ、日々の現場で感じたことについて書いてみたい。 私事だが、学生時代の友人などと久しぶりに再会すると、よくこんな話になる。 「最近、何を取材してるん?」 「フィギュアが多いかな」 「フィギュアってさ、スポーツって言えるん?」 スポーツであり、芸術でもあるフィギュアスケート。私自身も本格的に担当となった2017年まで正直、親しみはなかった。その上で、今ならこう答える。 「実際に見たらよく分かるけれど、スポーツやな」 ここでの「スポーツ」は、辞書を引いて出てくる意味に照らし合わせるのではなく、感覚的なものだ。シニアの男女シングルにおけるショートプログラム(SP)は2分40秒、フリーは4分。「映像では分かり