自律神経失調症で休職中、産業医に「病気でなく甘えだ」などと言われ病状が悪化したとして、奈良県に住む40歳代の団体職員の男性が、当時の産業医に530万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。 寺元義人裁判官は「安易な激励や、圧迫的、突き放すような言動は病状を悪化させる危険性が高く避けるべきで、産業医としての注意義務に違反した」と述べ、元産業医に慰謝料など60万円の支払いを命じた。 判決によると、男性は2008年6月から同失調症で休職。治療で復職のめどが立った同年11月、元産業医との面談で、「病気やない、甘えなんや」「生きてても面白くないやろ」「薬を飲まずに頑張れ」などと言われ、病状が悪化。復職の予定が約3か月遅れた。 元産業医は内科が専門で、裁判で「励ましの言葉をかけることはあったが、詰問や人格を否定するような発言はしていない」と主張。判決で寺元裁判官は「産業医は心の健康へ