東浩紀です。一週間ほど休暇を取り、日本とネットから離れていました。ブログのほう、ご無沙汰してすみません。 さて、帰国後すぐに「ヱヴァンゲリヲン劇場版:破」を観てきました。この作品についてはおそらくあちこちで語ることになると思うので、短い感想だけ。 結論から言えば、ぼくの予想よりもはるかによかったです。まずは新しい使徒のデザインがすばらしい。このために劇場に足を運んでも後悔しません。批評家的には、たとえば新キャラ眼鏡っ子に注目でしょうか。彼女はゼロ年代的というか決断主義的というか、要は西尾維新キャラとして導入されており、90年代ひきこもり組(シンジ&レイ)と対照的な存在です。そこに、2009年にこの作品を問うことの意味は十分含まれていると言えなくもない。 ほか鑑賞中も、批評的な物語*1がいくつも思いつきました。おそらくぼくは、批評家としては、この作品を評価するべきでしょう。少なくとも「序」よ
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見てきた。感想を一言で言うなら「切ない」だ。これはかなり切ない作品だ。ぼくは臓腑をえぐられた。観劇中、胸が詰まってちょっと苦しくなった。特に女の子が良かった。綾波レイ、式波・アスカ・ラングレー、真希波・マリ・イラストリアスにはそれぞれグッと来る。今気づいたけど、これ、3人とも「波」がつくのね。どういう意味があるのだろうか? 取り分け、真希波・マリ・イラストリアスは良かった。始まりから終わりまで、グッと来通しだった。彼女には、女の子の最良と思われる部分が本当に数多く詰まっている。庵野秀明監督は、女の子が本当に好きなんだろうなあと思った。女の子が本当に好きでなければ、女の子をこういうふうには描けないと思うからだ。女の子の良い面と悪い面を、清濁併せのむような感覚で好きになれないと、とてもじゃないがこういうキャラクターは創出できない。真希波・マリ・イラストリアスに
昨日見てきましたよ「ヱヴァ」。最初は南町田にある109グランベリーモールで12時20分の回を見て、それから渋谷で用事を済ませて、帰りに歌舞伎町の新宿ミラノでもう一回見ました。グランベリーモールは八分程度の入りで少し心配しましたが、新宿ミラノは夜の回も超満員で、どちらの映画館でも終了時に拍手が出ました。グランベリーモールでは終わって駅に向かう途中で多摩美の教え子に出くわしたんですが、「先生、ヱヴァどうでしたか」と訊かれたものですから、 「旧作とは全然違う。確かに大筋は一緒だし『エヴァ』には違いないが、もう別作品と言っていい。前回の『序』であえてテレビ版の序盤そのままをなぞって見せたのは、これをやるための前振りだということがよくわかった。確かにこういう“リメイク”は見たことがない。テレビ版や旧劇場版も傑作だったけれども、今度の『ヱヴァ』がもしこのテンションのまま完結するようなら、おそらく50年
歌舞伎町にて。初日。おもしろかったです! 予告編の時点からクオリティがきわめて高かったので、期待していたのですが、やはりとてもよかった。全四作のうちの二作目ということですが、ここまで進めてしまっていいのか、というほどにストーリーがぐっと展開し、イントロダクションにとどまっていた『序』とはがらっと変わる印象でした。各種アートワーク含めて、鋭い作品だと感じた。 わたしが『序』でいちばんすきなシーンは、セントラルドグマへ降りるミサトがシンジの手をにぎり、その手をシンジがしっかりとにぎり返すところだ。かつて(テレビシリーズで)ミサトがつなごうとした手は拒絶されてしまった。しかし今ならこのふたりは手をつなぐことができる。十数年たってもっとも変わったことは、ためらわずに手をつなぐことのできる関係性だ。『破』においてシンジは、みずからの手を差しだし、ふりしぼるような声で「来い!」と叫ぶ。彼らはつながろう
って演出について書こうと思ったらまとめだけで力尽きました サブタイトルはEVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE. 破はテレビ版の第八話〜第拾九話の再編成ですが、序と違って同じところを探すのが難しいくらいに別物。もちろん大筋では大体あってるって感じなのですが。 とりあえず、ツインテ・眼鏡・ニーハイのマリ最強。 序は時間の都合なのかシリアス展開でしたが、破はシリアスとコミカルとバトルがバランス良く配分されていていました。そしてお色気分が多すぎです。いいぞもっとやれ。序以上に続きを見たい!と思わせる終わり方ですが、いつになるのやら&きちんとまとめてくれるのかが心配です。CGバリバリの仮説5号機や、その他動きまくる零号機、初号機、2号機達。バリエーション豊かな使徒。そして旧版を見ている人もあっと驚くような展開と、是非劇場で見て欲しい。もちろん、スタッフロール中に帰
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