昨年5月、日本将棋連盟との和解会見に応じる三浦九段(左)(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ) 藤井聡太四段(当時)のデビュー29連勝(新記録)、羽生善治竜王の「永世七冠」達成と平成29年度の将棋界はまるで映画のストーリーのようなできごとが次々と起こったが、年度末の順位戦A級最終日でも奇跡と思えるようなドラマが演じられた。 3月2日静岡市「浮月楼」で行われた第76期順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)A級最終10回戦は挑戦権争いをしていた6勝3敗の上位陣がすべて敗れ、佐藤天彦名人(30)への挑戦権は6勝4敗の順位上位から稲葉陽八段(29)、羽生竜王(47)、広瀬章人八段(31)、佐藤康光九段(48)、久保利明王将(42)、豊島将之八段(27)の6人によるパラマス方式(下位から順に対戦)のトーナメントで争われることになった。 残留争いは深浦康市九段(46)、三浦弘行九段(4
日韓合意以降も、韓国では従軍慰安婦問題の真の解決を求めるデモが行われている。(写真:ロイター/アフロ) いわゆる従軍慰安婦問題をめぐって、日本と韓国の外交関係に暗雲が立ち込めてきている。今月1日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、日本の植民地支配に抵抗した「三・一独立運動」(1919年)の記念式典での演説で、従軍慰安婦問題に言及。文大統領は「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはいけない」と発言。これに対し、菅義偉官房長官は「絶対に受け入れられない」と反発。これらの応酬の背景には、従軍慰安婦問題の「最終的・不可逆的な解決」とした日韓合意(2015年12月)の欠陥がある。 〇当事者達の頭越しでの「合意」 「最終的・不可逆的な解決」に至ったはずの、従軍慰安婦問題が、なぜ今、再燃するのか。その理由として、主に三つのことがあげられるのではないか。 まず、第一に、日韓合意が、従軍慰安婦と
仮想通貨交換業者コインチェックからのXEM流出から1週間、金曜には金融庁がコインチェックに対して立入検査に入り、犯人は盗んだXEMの換金に向けて動き始めるなど、事件は新たな局面を迎えている。改めて先週よく聞かれた疑問と今後の論点についてまとめてみた。 盗まれたXEMをコインチェックは取り戻せるのかこれまでMtGOXやBitfinex、YouBitなど、多くの仮想通貨取引所への不正アクセス事案が起こってきたが、いずれも盗まれたコインは返ってきていない。仮想通貨の入出金記録はブロックチェーン上で公開されており誰もが閲覧できるが、本人確認を義務付けられた取引所と紐づく口座を除いて捜査機関が身元を特定することは難しい。それぞれのアドレスからの資金移動には、そのアドレスの持ち主しか持っていない秘密鍵が必要となる。 盗まれたコインを取り戻すシナリオとしては3つが考えられる。 犯人との交渉を通じて自発的
出版界は生き残りに必死で、あれこれ模索しているが、手っ取り早いのが不動産。小学館、集英社のみならず文藝春秋や岩波書店まで不動産に手を染めている。 神保町界隈をちょっと歩くと至る所に岩波書店所有地や集英社のビルが。岩波が最近、その一つを売却したという情報も。某社の社内報を読んでいたら、不動産取引きで社長賞授賞と出ていたのにはちょっと驚いた。 ドワンゴと提携するなど何事も機を見るに敏な角川書店の大型計画はこうだ。 2020年、オリンピックまでに現在倉庫のある東所沢に本社全機能を移す。同時に印刷所、製本所も集中。少部数でも注文があれば、すぐに印刷、製本できる体制にする。 編集者は、基本的にはパソコンを使って在宅作業で、出勤しなくてもよい。どうしても出勤が必要な社員のためには東所沢に社宅用マンションを建設するか、マンション業者と共同で賃貸マンションを借り上げる。 こうすれば、まず編集者のためのスペ
2018年1月26日深夜、仮想通貨取引所のコインチェックが記者会見を行い、顧客から預かっていた時価580億円分の仮想通貨NEMを流出させたと発表した。原因は調査中だが不正アクセスによる盗難の公算が大きい。翌日には被害者の26万人に対して自己資金から日本円で補償すると発表、記者発表から補償の発表までの加重平均で総額460億円に達するという。 仮想通貨取引所を巡っては2014年2月末にマウントゴックスが破綻したことが記憶に新しい。昨年12月には韓国の仮想通貨取引所ユービットの運営会社が経営破綻に追い込まれ、今年に入ってからも仮想通貨取引所ZaifからのAPIを通じた不正出金が報じられるなど、このところ仮想通貨取引所を標的としたサイバー攻撃が続いていた。 マルチシグとコールドウォレットは併用してこそ価値が出るコインチェックのシステムで十分なセキュリティ対策が行われていたか、現時点で公表されている
日馬富士暴行事件の影響は絶大だ。今場所は、注射、談合が消えてしまい、土俵は毎日がほぼガチンコだ。モンゴル互助会も、幕内談合連合もなくなった。全力士が激しくぶつかりあっている。 これは、見ていては面白いが、やっているほうはたまらない。 その結果、2連敗した照ノ富士が早々と弱音をはいて、“もういやだ休場”し、白鵬が2連敗後に“ふてくされ休場”してしまった。そして、稀勢の里が4敗を喫して、とうとう毎度おなじみの“仕方ない休場”してしまった。さらに、最年長の安美錦も右膝故障で“無念休場”となった。 このまま、ガチンコによる壮絶な星の潰し合いが続けば、もっと、ケガ人、休場者が出るのは間違いないだろう。誰もが、豪風のように、力を抜くのが上手いわけではない。 それなのに、メディアは根本問題にふれない。テレビに出ているコメンテーターの方々も、核心を突くことは言わない。ここまでの流れで形成された「横暴横綱・
日テレ系の年末特番「ダウンタウンのガキの使いやあらへんでSP 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時」は様々な点で酷いものだった。ダウンタウンの浜田雅功が黒人を風刺したかのような黒塗りのメイク(黒人達からは彼らへの侮蔑と受け取られる)で登場したことについては、BBCやワシントンポストなどの海外メディアでも報道される騒ぎに発展しているが、もう一つ、見過ごせない大問題があったので、本記事ではそちらについて指摘しておきたい。番組中、タレントのベッキーが無理矢理、抑え込まれて、タイ式キックボクシング(ムエタイ)の使い手にキックで強打された上、痛がる姿を笑いものにされたということだ。 〇男性芸人たちに取り囲まれ、「タイキック」を受けたベッキー 番組中のドッキリ企画というかたちで、進行役がベッキーに対し、彼女の不倫騒動の「禊ぎ」としてタイ式キックボクサーに蹴らせることを宣言。驚き、恐怖に目を見開
映画「シン・ゴジラ」と血液凝固剤映画「シン・ゴジラ」は傑作でした。現実に寄り添いすぎた映画なので、冷静な論評は待たねばならないかもしれません。ただ多くの人々が、この映画に魅せられ、多くを語っています。 ところで、私はサプライチェーン・調達・購買といった領域に従業しています。この映画「シン・ゴジラ」では、血液凝固剤が重要な役割を果たします。ご覧になっていない方もこの文章を読んでいるでしょうから、曖昧になっているのはご容赦ください。 ゴジラが上陸、そして、再上陸するのですが、この血液凝固剤をきわめて短い期間で増産せねばなりません。その量は672キロ。官僚、ならびに政治家が全力を尽くし、この血液凝固剤確保に奔走します。数週間しか猶予がありません。 映画がどうなるかは見てください。ここで、製薬会社のサプライチェーン、調達関係者にヒアリングを行い、新薬をたった数週間で生産・納品できるかを訊いてみまし
保育士かつ、保育園を20園運営している駒崎です。 最近、起業家として著名なホリエモンこと堀江貴文さんが、Twitter上で以下のようなご発言をされて炎上する事件が勃発したようです。 また、補足する形で、 「誰でも(やろうとしたら大抵の人は)出来る(大変かもしれない)仕事だから希少性が低く(コンビニバイトなどと同様に)給料が上がらない構造になっている」 という発言をされています。 堀江さんは予防医療のプロジェクトをご一緒させて頂いており、その鋭い知性についてはリスペクトしています。 ただ、今回に関してはおそらくは保育業界の構造について前提知識がなかったことで、かなりバイアスのかかった論理になってしまっているかと思います。 以下、説明をしていきますので、堀江さんほどの方ならご理解頂けるでしょうし、またその他あまり保育業界に詳しくない一般の方々にも「なぜ保育士の給与が上がらないか」そして、それは
「<日銀>欧州中銀とのブロックチェーン実験結果を公表」というニュースがありました。昨年の12月に発表された共同研究の結果(参照記事)の結果が出たということです。 この共同研究は「日銀ネット」そして「TARGET2」という決済ネットワークをブロックチェーン技術で効率的に実行できるかを検証することが中心となっていたもの(両ネットワークをブロックチェーンで置き換えることを目指したものではありません)で、Project Stellaという名称が付けられています。 なお、ここで言う「ブロックチェーン」とは、ビットコインで使われているような元帳が世界中の数千台のコンピューター上に重複分散され、マイニング業者が膨大な電力を使って取引を検証するという「パブリック・ブロックチェーン」とは異なります。HyperLedger Fabricというミドルウェアを使った「プライベート・ブロックチェーン」です。ノード数
■無意味な訓練の意味 北朝鮮から日本に本当にミサイルが飛んでくるのか、現在のところ可能性は低いと見るが、究極的には分からない。だが仮に本当に飛んでくるとしても、こうした訓練は意味がない。小学校の体育館に逃げ込んで身を守れるのか。体育館に集まった方が安全だと判断する根拠はどこにあるのか。頭を抱えたところで、落ちてくるのはミサイルであり、対処法は基本的にない。 政府は、グアム方面に発射されたミサイルを日本上空で迎撃すると言い、島根、広島、高知の3県に地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」を配備した。だがこれも無意味だ。日本上空を通過するときにはミサイルは高高度を飛んでいるためPAC3で撃ち落とせない。 北朝鮮が米本土に向けて撃つミサイルを日本が撃ち落とすなどと言っているが、これもばかげた話。この場合、ミサイルは日本上空を通過しない。 これらに共通しているのは危機認識の前提や、その対処方法に「全く合
爆風スランプのドラマーであるファンキー末吉氏が、JASRACの運営に関して文化庁に上申書を提出したというニュースがありました。 末吉氏が既にJASRACと裁判で争っていたことについては既に書いています(過去記事「JASRAC対ファンキー末吉氏の地裁判決文が公開されました」、「JASRAC、第二審でもファンキー末吉氏に勝訴」)。これらの裁判では末吉氏側の主張はほとんど認められていません(なお、記事にはしていないですが最高裁への上告も棄却されています(末吉氏による関連ブログ記事))。 裁判ではいくつかの争点がありましたが、その重要なもののひとつがJASRACの作曲家・作詞家に対する分配金の計算方法が不透明であるという末吉氏側の主張です。この点について、判決文では、それは作曲家・作詞家とJASRAC間の問題であって、利用者(たとえば、ライブハウス経営者)とJASRAC間の問題ではないとされていま
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」 今回の都議選の最中に、閣僚や自民党幹部から出た様々な発言の中で、安倍首相が発したこの言葉が、私にとっては最もインパクトがあった。 最終日、秋葉原で初めて街頭に立った安倍首相に対して、今回の政権を批判する人たちから発せられた「安倍やめろ」コールに怒り、「憎悪や誹謗中傷からは、何も生まれない!」と語気を強め、声のするとおぼしき方向を指さして、冒頭の言葉を言い放ったのだった。 それで思い出すのは、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が、カリフォルニア州知事に立候補し、選挙運動中に、演説会場で反対派から生卵をぶつけられた一件。彼は、そうした行為も「表現の自由」の一環だと述べ、「ついでにベーコンもくれよ」と笑い飛ばした。 そんな風にユーモアで切り返すのは無理でも、「批判を謙虚に受け止め」と大人の対応をするか、あえて知らん顔で主張を述べ続け
アニメブラック問題再びアニメ産業はわかりにくい。10年来取材や研究をしている筆者も、人に説明するとなるとかなり時間を要する。実際2015年にNHKの「NEWS WEB」に出演した際も、スタジオ入りする前の打ち合わせで30分近くディレクターに説明をして、用意されていたフリップの一部を変更してもらったりした。(このあたりの対応、NHKはしっかりしていて流石なのではあるが) 今回の放送内容は、番組のページに詳しくまとまっているので、まずはそちらをざっと読んで頂ければと思う。 また論点が混線してしまったというのが正直な印象だ。番組中登場する人はそれぞれ真っ当なお話しをされているのだが、全体を通じて見ると「ではどうすれば良いのか?」という解決の方向性がまたイメージしずらくなってしまっている。 新人アニメーターの平均年収が110万円というのは2015年の時点でも指摘されている。市場規模が2兆円と伸びて
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