【ニューデリー=新居益】チベット仏教カギュー派の最高活仏カルマパ17世(25)が、出所不明の大量の現金を保有していたとして、インド当局が捜査に乗り出した。 2000年に中国からインドに逃れたカルマパが、実は中国当局から支援を受け続けていたのではないかという疑念もあり、チベット亡命政府は衝撃を受けている。 カルマパは、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(75)の後継体制でも中心的役割を果たすとみられる高僧。警察は1月27日、カルマパが滞在するインド北部ダラムサラの僧院を家宅捜索し、人民元や日本円を含む現金約1億5000万円相当を発見した。2日までに側近5人が逮捕され、カルマパ本人も事情聴取を受けた。脱税や外国為替法違反の疑いによるものだが、警察は、特に現金の出所が中国だったかどうかを厳しく追及している。 インド紙デカン・クロニクル(電子版)は当局者の話として、カルマパ側近はダラム