「若い人が不安なく修業できるようにしてほしい」。大阪市役所で3日開かれた文楽補助金を巡る意見交換会。橋下徹市長と初めて向き合った技芸員(演者)らは補助金の透明化などの要請に大筋で合意する一方、厳しい生活実態などを率直に訴えた。「特権意識にまみれた集団」などと文楽界を批判してきた橋下市長もこの日は「橋下節」を封印し、技芸員らの訴えを理解する姿勢を強調した。【茶谷亮、林由紀子、原田啓之】 技芸員らは紋付きはかまに身を包み、険しい面持ちで市役所の会議室に並んだ。 「我々は47人だが、討ち入りに来たわけではない。一日も早く舞台に専念させてほしい」。会の冒頭、太夫の豊竹咲大夫(とよたけさきたゆう)さん(68)は、11月に上演する「仮名手本忠臣蔵」になぞらえ、対話姿勢を強調した。 「大阪で生まれ育った文化遺産を助けていただきたい」。会は約2時間半に及び、技芸員はベテランから若手まで、口々に伝統継承の重