映画「シン・ゴジラ」(庵野秀明総監督)が大ヒットしている。7月29日の公開以降、観客動員数は約420万人(9月6日現在)で今のところ今年の邦画実写部門の興行収入1位という。 映画の大ヒットにも驚いたが、それ以上に「シン・ゴジラ」について考察した記事やコラムなどがメディアにあふれていることに驚く。見ると何かを語らずにはいられないのだろうが、語ることがブームになっている。見て深い洞察を披露しないと“文化人”“識者”ではないという雰囲気を感じるほどだ。 毎日新聞「火論」、朝日新聞「日曜に想う」など新聞各紙の著名コラムが取りあげ、公開から1カ月以上たっても続いている。例えば9月6日、東京新聞朝刊ではミュージシャンの泉谷しげる氏がコラム「風向計」で「怪獣映画から日本の『現状』を突き付けられるとは思わなかったな!」と驚き、産経新聞朝刊では、石破茂元防衛相がゴジラの襲来に自衛隊の防衛出動はおかしいとブロ