優れた技術者たちは何を目指すのか?各社の「匠」の視点を覗こう 第87回米アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したアニメ『ベイマックス』。 この作品に登場するロボット「ベイマックス」は、よくあるアクションムービーで主役を務めるロボットのように一撃必殺の兵器を内蔵しているわけでもなければ、素早い動きで敵を翻弄できるわけでもない。むしろ、“見せ場”であるはずのアクションシーンで、足がもつれて転んでしまうことすらある。 しかし、兄と死別して以来心を閉ざしてきた主人公ヒロは、ベイマックスに一方的に助けられるのではなく、むしろ自分が助ける側に回ることによって、次第に前向きに生きる力を取り戻していく。 この「弱いロボット」が持つ可能性について、かなり以前から研究を重ね、実際に開発してきたのが、豊橋技術科学大学の岡田美智男教授だ。2012年に上梓した、そのものズバリ『弱いロボット』と題された著書を通じ