12月30日、米デラウェア州の自宅で、ロシアのプーチン大統領と電話会談するバイデン米大統領(ロイター) 【ワシントン=渡辺浩生】外交努力による緊張緩和か、重い代償を払う制裁か。12月30日の米露首脳会談で、バイデン米大統領はプーチン露大統領に〝二者択一〟を迫った。中国が威圧を強める台湾海峡と二正面の抑止作戦を強いられた超大国の苦悩は、2022年の不穏な世界の幕開けを印象付けた。 「バイデン氏は2つの方向をプーチン氏に明示した」と米政府高官は語る。 ウクライナ情勢の緊張緩和に導く外交の道筋。もうひとつは、ウクライナに軍を進めることでプーチン氏自らが選択する「深刻な代償と結果」を伴う制裁だ。いずれも「この先のロシアの行動次第」と高官は語るが、バイデン氏にも賭けであるのは間違いない。 制裁は国際金融決済システムからロシアを締め出すもので、石油・天然ガス輸出に頼る露経済への打撃は甚大だ。「両国関係