脳と腸は、双方向的に影響しあうことが指摘されている。「脳腸軸(brain-gut axis)」とも呼ばれるこうした「脳腸相関」に密接に関連しているのが腸内細菌だ。腸内細菌はさらに、うつ症状や不安症、統合失調症などの精神疾患に寄与している可能性もあることが、これまでの研究により明らかになっている。これはつまり、腸と脳が直接の神経接続やホルモン、もしくは代謝産物を通じて、相互にコミュニケーションをとっているということを示唆する。 オープンアクセスの科学誌「プロスワン」に2022年3月23日付けで発表された研究では、中年期に長期にわたって抗生物質を使用すると、腸内細菌叢(共生する微生物の総体)が変化する結果、その後の人生で認知能力が低下する可能性があることを示している。 慢性的な抗生物質使用については、これまでの研究でも、肥満、がん、心疾患などを含む、「慢性炎症」と関連した疾患のリスク上昇との関
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