ミトコンドリア障害による慢性炎症とうつ・不安様行動の関連は? 広島大学は6月29日、うつ病や不安障害を呈するモデルマウスを用いて、脳の海馬で細胞の働きに必要なエネルギーを産生するミトコンドリアに障害が生じていることを確認したと発表した。この研究は、同大大学院医系科学研究科の森岡徳光教授、中島一恵助教、中村庸輝助教、吉本夏輝(大学院生)らの研究グループによるもの。研究成果は、「Experimental Neurology」に掲載されている。 画像はリリースより (詳細は▼関連リンクからご確認ください) ストレスはうつ病や不安障害発症の原因となるが、長期に渡って続く痛み(慢性痛)も非常に大きなストレスとなり、実際に何かしらの慢性痛をもつ患者は、うつ病や不安障害を発症しやすくなることが知られている。うつ病や不安障害の治療には、抗うつ薬や抗不安薬が処方されるが、約30%の患者では薬が効果を示さない