円は、米国の大幅な利下げという追い風を吹き飛ばしかねない大きなマイナス要因に直面している。 円は先週、約5カ月ぶりの大幅な下落となり、24日朝も引き続き下落圧力にさらされている。米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を0.5ポイント引き下げたが、パウエル議長は今後の緩和ペースに慎重な姿勢を示した。一方、日本銀行の植田和男総裁は政策判断には時間的な余裕があると発言。日米の利回り格差が十分に縮小して円を支えられるのかが疑問視されている。 円は6月末から対ドルで12%上昇し、17の主要通貨の中で最も高いパフォーマンスを上げている。それでも、この上昇相場が短命に終わる理由を挙げることは簡単だ。資本フローから投資家のポジショニングに至るまで、幾つもの要因がある。 以下の四つのチャートは円の脆弱(ぜいじゃく)性を示している。