世の中には伝わることを前提に話したり書いたりする人が意外に多いらしい。 特にネットでそれは顕著に見える。他人様のブログやはてなブックマークなど眺めていると、そういう印象をたびたび受けるのである。そして、書き手の口が達者なほどその責は読み手に押し付けられるし、その逆もある。「誤読してんじゃねえ、よく読めバカ」と「分かるように書け、バカ」は、どちらも根拠のない責任の押しつけだろう。自分の文章力や読解力は決してスタンダードではない。インターネットのように不特定多数がコミュニケーションする場においてはなおさらだ。ディスコミュニケーションの原因を他者にのみ求めるのはあまりフェアな態度とはいえない。 たとえば、ある文章を一部の人はちゃんと理解しているけれど、より多くの人が誤読している場合、それは「内容が難解なため」かもしれないし「表現が高度なため」かもしれないし「説明が不十分なため」かもしれないし「文