カミさんは梅雨のことをよく「雨季」と言い違える。この七年ほどは、正月を迎える場所がバンコクか、サムイ島のチャウエンビーチか、チェンマイのいずれかだったから、季節の感じ方までタイふうになってしまったのかもしれない。タイで正月を過ごすなら、チェンマイの気候がいちばん好きだ。昼間は30℃前後、朝晩は15℃前後。寒暖の差は大きいけれど、湿度がそれほど高くなく身体にこたえるようなことがない。ちなみに正月のチェンマイを「冬」と呼ぶことはあっても、強引に四季に当てはめればという前提がつく。一年は、わりと涼しい乾季、ひたすら暑い暑季、雨の多い雨季という、三つの季節にわけられている。「春」という言葉を当てはめられる時期を探すのは、この町では難しいかもしれない。 正月を初春とするのは、旧暦の名残なのだろうか。旧暦の一月から三月までは春だそうだが、旧暦の元旦はたしか二月の上旬だったはずである。それでいくと、五月