常に身に着けて持ち歩くケータイでも正確な時刻を知ることができるようになってから、腕時計産業の衰退スピードは加速した。宝飾的高級腕時計ブームも静かに過ぎ去り、勝ち組狙いのトゥールビヨン的超メカ高級腕時計の世界も、予想に反して売れ行きは伸びず。結局のところ腕時計市場は、新進新興の無名のデザイナーズ・ブランドの低価格腕時計が、かろうじて市場を確保しているのが現状だろう。 そして、本来伝統的で保守的な腕時計市場は、将来のブランド戦略の実現を早々に決め込みたい世界的総合ブランド企業による、M&A活動の草刈り場状態になっている。そんな変化の激しい腕時計業界に、3年ほど前にまったく畑違いの米国から、新進スーパーカーメーカーが参入した。見方を変えれば、12年前突然に、前例のないまったく新しいデジタルクライアントで、すべてがアナログ的な音楽業界に参入した、アップルの「iPod」にも通じるものがありそうだ。
![清水の舞台から飛び降りて買ったメカ腕時計「Tread 1」 (1/3)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/de4e54323395d4fd3bc91e72c3b3ab6222f6fc45/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fascii.jp%2Fimg%2F2011%2F06%2F22%2F1511413%2Fl%2F658a8c14797d52fe.jpg%3F20200122)