日経コンピュータ2008年8月1日号で「ダメシステムでも使わせたら勝ち」という特集を書いた。ダメシステムという言葉は,仕様面や品質面に何らかの欠陥があるシステムという意味で使った。こういう言葉をタイトルに据えるのは,がんばってシステム構築されている方々に失礼ではないかとも考え,一度は取り下げようと思ったが,結局採用した。誤解を恐れずに言えば,今作られている情報システムはおしなべてダメシステムと言える,と思ったからだ。 考えてみてほしい。仕様面で完ぺきを目指すのはどんどん難しくなってきている。システムに会計処理しかさせていなかった大昔ならいざ知らず,今は事業の最前線でシステムを使うのが当たり前。受注が確定する前の見積もりや引き合いなども管理する。そんな領域は非定型業務だらけでシステム化しにくく,どうがんばって作っても,ユーザーから「使いにくい」と言われてしまう。 品質面でいえば,バグがないシ
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