ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (11)

  • ゲームストップ株を暴騰させたアマチュア投資家たちの反乱と疑惑の幕切れ

    いかにもオールドエコノミーな感じのゲームストップの株価が2万%近く急騰(1月27日、マンハッタン) Carlo Allegri-REUTERS 米株式市場では、ビデオゲーム小売チェーン「ゲームストップ」の株価があり得ない高騰を続けた後、一転、半値まで暴落したことが大きな注目を集めている。 ただの投機ではない。急騰の背景にはウォール街を支配してきたヘッジファンドに大損させる目的で、ネット上で意気投合したアマチュア投資家集団が株価を吊り上げていたようだ。そこに普通の小口投資家も参加して、株価はますます上がった。 彼らの取引を支えたのは、「株式市場を民主化する」を旗印に手数料無料で人気を博す、手数料無料の投資アプリ、その名も「ロビンフッド(金持ちから盗んで貧乏人に分け与える義賊)」だ。ところがそのロビンフッドが、突然小口投資家たちを見限り、株価は暴落。いったい何が起こったのか──。 ゲームストッ

    ゲームストップ株を暴騰させたアマチュア投資家たちの反乱と疑惑の幕切れ
  • アマゾンの複雑で周到過ぎる節税対策

    ベゾスは創業時から租税回避に情熱を傾けていた(写真は昨年12月にトランプタワーを訪れたベゾス) Andrew Kelly-REUTERS <ルクセンブルクの海外部を中心とする子会社網を使った、アマゾンの巧妙な租税回避策が明るみに> eコマース事業の拠点をどこに置こうか考えていた95年、ジェフ・ベゾスにとっての第1候補はシアトルではなかった。今や世界最大手のオンラインショップとなったアマゾンのCEOが目を付けていたのは、納税額をかなり低く抑えられるサンフランシスコ郊外の先住民居留地だった。 この計画はカリフォルニア州当局につぶされたが、租税回避に懸けるベゾスの情熱がこれで失われたわけではなかった。創業から20年以上にわたり世界に事業を拡大するなかで、ベゾスはアマゾンが税金面で競争力を持てるよう取り組んできた。 誌は昨年、アマゾンと米税務当局である内国歳入庁の法廷闘争の資料を入手。一連の資

    アマゾンの複雑で周到過ぎる節税対策
  • 弾劾で追い込まれたトランプが再選を投げ出す?

    ウクライナ疑惑で窮地のトランプは、追及を免れるために大統領選への出馬を取りやめる......かもしれない> 歴史上有数の「あり得ない」大統領が別の「あり得ない」大統領をマフィアまがいのやり方で脅した──いまアメリカで持ち上がっている大統領弾劾騒動は、ここから始まった。 アメリカでは2016年、テレビのリアリティー番組で人気者になった目立ちたがり屋の不動産王が、同世代で最強のエリート政治家(元ファーストレディーで、閣僚や上院議員も歴任した)を退けて大統領の座をつかんだ。一方、ウクライナでは今年4月、人気テレビドラマで政治腐敗に異を唱えて大統領に上り詰める高校教師の役を演じた41歳のコメディー俳優が、なんと当に大統領に当選した。 2つの突拍子もないストーリーが交差すれば、そこに大きなカオスが生まれるのは必然だったのかもしれない。こうして、いまアメリカは「ウクライナ疑惑」で揺れている。197

    弾劾で追い込まれたトランプが再選を投げ出す?
  • 「シリコンバレーの太陽」とまで称された「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に対する海外の評価を集めてみた

    <シリコンバレーで巨大資金を動かす投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」について、海外投資家から質問を受けることが増えてきた。熱い注目の理由を説明する> エクサウィザーズ AI新聞から転載 最近海外投資家から、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに関する質問を受けることが増えてきた。ちょっと気になったので、最近のソフトバンクや孫正義氏、ビジョンファンドに関する海外の評価を調べてみた。 米Business Insider誌のAlexei Oreskovic氏は、「過去2年間ほどは、シリコンバレーのスタートアップや、投資家、起業家は、ソフトバンクという巨大な太陽の周りのまわる大きな星座になっている」と表現している。 同誌は4月の「ビジネスの世界を変える100人」という特集の中で孫正義氏を取り上げ、同氏をシリコンバレーの新しいキングメーカーと評している。キングメーカーとは、だれを次の王

    「シリコンバレーの太陽」とまで称された「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に対する海外の評価を集めてみた
  • 「香港は本当にヤバいです」 逃亡犯条例の延期を女神は「予言」していた

    香港人留学生らと逃亡犯条例改正反対を訴える周庭さん(右から2人目、東京都内で)YOSHIHIRO NAGAOKA-NEWSWEEK JAPAN <100万人デモに追い込まれた香港政府は6月15日、逃亡犯条例改正案の審議延期を発表した。その前日、学生活動家の周庭(アグネス・チョウ)は誌のインタビューに応じ、香港の絶望と希望を語った> 黄色い傘と催涙ガスが街を覆った雨傘運動から5年。敗北の無力感に包まれていたはずの香港市民が、一国二制度で保障された司法の独立を根底から破壊しかねない香港政府の逃亡犯条例改正に敢然と反対の声を上げた。100万人が参加したデモとその後の抗議活動は香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)長官を追い込み、香港政府は6月15日に改正案審議の延期を発表した。 誌は6月18日発売予定の6月25日号で「弾圧中国の限界」特集を組み、香港デモと中国の限界に迫っている。ウイグル

    「香港は本当にヤバいです」 逃亡犯条例の延期を女神は「予言」していた
  • トランプに熱狂する白人労働階級「ヒルビリー」の真実

    <知識層からときに「白いゴミ」とまで蔑まれる白人の労働者階級。貧困と無教養を世代を越えて引き継ぐ彼らに、今回の選挙で「声とプライド」を与えたのがトランプだった>(写真:筆者が取材したニューハンプシャー州のトランプの選挙集会) 無名の作家が書いたメモワール『Hillbilly Elegy』が、静かにアメリカのベストセラーになっている。 著者のJ.D.ヴァンスは、由緒あるイェール大学ロースクールを修了し、サンフランシスコのITベンチャー企業の社長として働いている。よく見るタイプのエリートの半生記がなぜこれだけ注目されるのかというと、ヴァンスの生い立ちが普通ではないからだ。 ヴァンスの故郷ミドルタウンは、AKスチールという鉄鋼メーカーの拠地として知られるオハイオ州南部の地方都市だ。かつて有力鉄鋼メーカーだったアームコ社の苦難を、川崎製鉄が資提携という形で救ったのがAKスチールだが、グローバル

    トランプに熱狂する白人労働階級「ヒルビリー」の真実
  • グーグルやアップルの「給与カルテル」に集団訴訟

    シリコンバレーのソフトウエア技術者が大手各社を訴えた。引き抜き禁止などのカルテルを結んで給与の高騰を抑えていたという アップルやグーグル、アドビシステムズといった企業が給与水準の引き下げのため雇用カルテルを形成しているという潜在的に巨額の訴えが、アメリカの地方裁判所で受理された。原告は、シリコンバレーで勤務する6万人の労働者だ。告発によれば、これらの企業間では、(給与の高騰を招く)社員の引き抜きを自粛するようカルテルが結ばれている。 ロイターによれば、問題の発端は11年、5人のソフトウエアエンジニアがアップル、グーグル、アドビシステムズ、インテルなどを給与抑制のためのカルテルを結成したとして訴えたことに始まる。これらの企業間では、互いの従業員を引き抜いたり採用したりしないというカルテルが結ばれていたという。 被告企業は、労働者から求職の自由と数百万ドル分の雇用機会を奪い、独占禁止法のうちシ

  • 帰還後に自殺する若き米兵の叫び | アメリカ | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    待望の帰国なのに アフガニスタンとイラクからの帰還兵だけでも自殺者は数千人、戦闘中の死者数6460人を上回るとみられる Lucas Jackson-Reuters 退役軍人省カナンデグア支部(ニューヨーク州)にある電話相談室。相談員のメリッサが電話に出ながら、私を見てささやいた。「この人今、『5号線のど真ん中に飛び出して、何もかも終わらせたい』って言ったわ。『こんな人生、生きてる価値ない』って」 電話の主は4カ月前に海兵隊を除隊した若者。仕事もカネもなく、朝から何もべていないという。ペンドルトン海兵隊基地と仲間のそばにいたくて、父親のトラックで田舎からカリフォルニアに出てきたが、仲間のほとんどは再び外国に送られたか、海兵隊を離れていた。 酒に溺れるようになり、マリフアナを吸うことも少なくない。海兵隊には4年いて、イラクにも2回行った。でも除隊後は定職が見つからない。そして今、海兵隊基地近

  • ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    最新記事ニューズウィーク日版オフィシャルサイトはNewsweekの米国版と国際版からの翻訳記事と日オリジナル記事編集されるニューズウィーク日誌の内容とサイトオリジナルのコンテンツを毎週お届けしています。

  • 彼女が「白熱教室」で学んだこと

    16歳で単身渡米した東京の「普通の女子高生」がハーバードでMBAを取得し、グーグル社で才能を開花させるまで 「世界で最も働きたい会社」の一つといわれるシリコンバレーのグーグル社。そんな難関を突破し、その中枢で働く日人女性がいる。石角友愛さん。日で生まれ育ち、英語が得意なわけでもなかった彼女が、世界中の頭脳が結集するグーグルで才能を認められるまでになった最大の要因は、アメリカの高校と大学、そしてビジネススクールで経験した、日とは違う「勉強」のおかげだという。 石角さんが東京の国立大学附属高校を中退し、たった一人でアメリカに渡ったのは16歳のとき。アメリカ東海岸のボーディングスクール(全寮制私立学校)に転入し、その後、リベラルアーツ教育の名門で、オバマ米大統領も学んだオキシデンタル・カレッジに進学。いったん日に帰国して起業した後、再びアメリカへ渡り、ハーバード大学ビジネススクールで

  • 奥田君インタビューはそんなにひどくない

    ニュージーランド地震で足を切断しながら生還した奥田建人君へのフジテレビ「とくダネ!」のインタビューがひどいという批判がツイッターやネットで広がっている。まだ見ていない人は、実際に映像を見て欲しい。 そんなにひどいだろうか? インタビュアーがむりやり言葉を引き出そうとしているわけでもないし、足を切断したという相手の状況にそれなりに配慮した聞き方をしている。プロの記者が奥田君に話を聞いて「足切断」について聞かないことはありえない。 おそらく初出と見られる朝日新聞2月23日付夕刊の五十嵐大介記者の記事も、奥田君が足を切断した事実について触れている。足切断の事実と、「仲間がどんどん下に落ちていった」という表現があってはじめて、今回の地震の被害の大きさと、今後議論になるだろうニュージーランドの建造物の耐震構造問題の深刻さが読者に伝わる。繰り返すが「かわいそうだから聞かない」というのは、職業人としての

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