自らの権益にしがみつく族議員、その顔色をうかがう官僚、振り回される業界。「日本鶏卵生産者協会」の生産者大会が昨年2月、農林水産省幹部によって再三の中止要請を受けた問題は、そんな3者の、いかにも古めかしい構図を浮かび上がらせる。 事の発端は「誤解」からだった。 大会の1週間前にあたる昨年2月6日午前。自民党本部で畜産・酪農対策小委員会が開かれていた。 「養鶏の団体が開く大会に野党議員だけが呼ばれる」。中堅議員が指摘した。「それは問題だ」。批判は農水省幹部にも向けられた。 これを受け、農水省の課長補佐は協会に対し、出席要請している議員を照会した。協会から送られてきた名簿には、自民や民主など議員数十人の氏名が羅列されており、大会への出席依頼者の氏名の横には丸印が付けられていた。自民4人、民主3人、国民新1人。農水幹部は複数の自民党議員に名簿を見せ、「自民党議員も招待されている」と党側の誤