「アメリカの声(Voice of America、以下VOA)」が危機に瀕している。2025年3月、トランプ大統領の命令により、VOAの全スタッフ約1,300人が職場から締め出され、放送停止の瀬戸際に立たされているのだ。VOA側の公式アナウンスはまだなものの、ディレクターのマイケル・アブラモウィッツはフェースブックの個人声明で嘆いている。「私は深く悲しんでいる。83年ぶりに、歴史あるVOAが沈黙させられた」と。日本でも英語学習や国際ニュースの窓口として親しまれてきたVOAが、今、存亡の危機にある。私は言語学に関心を寄せるものとして、VOA英語の簡易性とその教育的価値に深い愛着を持っている。VOAは、国際政治的に見れば、報道機関というよりプロパガンダ機関と呼べるかもしれないが、その価値は英語教育、米国的価値の普及、娯楽性、そして言語学的視点からも際立つものだ。 アブラモウィッツの悲嘆 事態は