二度なしの原理って何ですか免疫学の第一人者である大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招へい教授へのインタビュー後編です。 木村:集団免疫説についてもう一度おうかがいできますか。 宮坂氏:例えばパトリック・ヴァランス英政府首席科学顧問の論拠の一つは、このままでいくと国民の6割から7割が感染するかもしれないと。この6割、7割という数字はどこから来ているかというと、基本再生産数、1人当たり何人に感染させるかというのを、例えば2.5とすると、0.6という集団免疫のための最小閾(しきい)値が出てくるわけです。 (筆者注)集団免疫閾値(%)=(1-1/基本再生産数)×100 その0.6が6割、すなわち国民の6割が免疫を獲得しないと、どんどん感染は広がっていき、逆にいうと、免疫が何もない場合には国民の6割ぐらいは感染すると考えたようです。しかし、私はそこに問題があると考えています。 どういう