電線大手4社の2024年3月期連結業績予想は、2社が増収営業増益、2社が減収営業減益を見込む。自動車の生産回復を受け、車用ワイヤハーネス(組み電線)の需要は堅調だ。一方、北米のデータセンター(DC)需要低迷による顧客の投資抑制や在庫調整が光ファイバーケーブル事業に打撃を及ぼしており、24年度以降の回復が見込まれる。長期では通信量の増加や生成人工知能(AI)の普及がDC需要の追い風になりそうだ。 住友電気工業は自動車用のワイヤハーネスが日本や北米で伸び、好業績をけん引する。電気自動車(EV)関連も電線などで需要を創出している。半面、中国ではワイヤハーネスの販売が減少。現地のEVメーカーが勢いを増し、苦戦する日系自動車メーカーの影響を受けている。 北米でのケーブル・通信機器も低調。インフレと金利高で巨大IT企業がDCの投資抑制や人員削減を行い、需要が落ちている。ただ井上治社長は「DC向けの光通