ベニー松山×古川日出男 「小説家誕生前夜──『砂の王』のころ」 デビュー20周年──とはいえそれは世に出るまでの数年間があってこそ。古川本人が言うところの“暗黒時代(笑)”をもっともよく知る人物=ベニー松山さんをお招きし、ゆるゆると語り合った「この際だから振り返っておきたいあの頃の話」。不可思議なワードが飛び交い衝撃の過去が明らかにされる、当サイトならではのスペシャル企画です。 ベニー松山(以下、ベニー) そうだねぇ。 古川 で、俺が小説を書こうと決めたというか小説家になろうとしたのが、1991年の1月で。 ベニー 『アンダー・ウォーター』を書いたのが、それだっけ? 古川 それです。ベニーと会ったのがその2~3ヶ月前で、要するにその時期を完全に立ち会って見てたのが、はっきり言ってベニーだけという。で、いちばん大きな刺激というか、お叱りを受けつつ(笑)、ものを書いてたという。 ベニー いやー