ブックマーク / honz.jp (173)

  • 『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ

    死の貝:日住血吸虫症との闘い (新潮文庫 こ 28-2) 作者: 小林 照幸 出版社: 新潮社; 文庫版 発売日: 2024/4/24 小林照幸『死の貝 日住血吸虫症との闘い 』(新潮文庫)が注目されている。4月24日に上梓されて以来、現在4刷、累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版されたが、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。以前より小林照幸のを”激推し”してきた東えりかと、医学者・仲野徹が話を聞いた 仲野 『死の貝』は昔読んだ記憶があったけれど、文庫化されたのも20年以上時間が経ってからだし、こんなに注目されることってある?と不思議になりました。どうして突然文庫化されたんですか? 小林 それは新潮社さんからご説明頂きましょうか。 編集部 もともと新潮社の営業部と未来屋書店で、月に一回、情報交換の定例会議をしています。そのなかで女性書店員さんが「そういえ

    『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ
    machida77
    machida77 2024/07/01
  • 『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? - HONZ

    「明鏡止水 武のKAMIWAZA」というNHKの番組をご存知だろうか。格闘家でもある俳優の岡田准一が司会を務め、武道各流派を率いる一流の武術家たちが集結し、真髄を語り秘儀を披露していく。録画をして繰り返し観るほど私の好きな番組だ。 『シャーロック・ホームズの護身術バリツ:英国紳士がたしなむ幻の武術』には技の説明のため120点を超える写真が掲載され、中には袴を穿く人物が登場している。動いている姿を見てみたいという欲望が沸き上がる。この番組で実演してくれないだろうか。 「バリツ」という格闘術が一般に有名になったのは、ひとえに〈名探偵シャーロック・ホームズ〉シリーズの「空き家の冒険」で、宿敵のモリアーティ教授の死闘を回想したこのシーンからだ。 ―崖っぷちから落ちかけたぼくたちは一瞬ふたりそろってよろめいたんだ。でもぼくは日の格闘術であるバリツを少々かじっていて、何度もそれに救われたことがあって

    『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? - HONZ
  • 『米特殊部隊CCT 史上最悪の撤退戦』これまであまり語られてこなかった戦闘管制員の物語 - HONZ

    米特殊部隊CCT 史上最悪の撤退戦 作者: ダン・シリング,ロリ・チャップマン・ロングフリッツ 出版社: 早川書房 発売日: 2024/2/21 大英帝国の力がシーパワーに支えられていたとするならば、アメリカの覇権はそれに加えてエアパワーに支えられている。このエアパワーを支える存在のひとつが米空軍特殊部隊CCT(戦闘管制員)である。米軍の特殊部隊といえば陸軍のデルタフォースと海軍のネイビーシールズが特に有名であろう。これらの組織はハリウッド映画などを始め様々な娯楽作品にも登場している。しかし、書の著者の言葉を借りれば、いかに特殊部隊員とはいえアサルトライフルを握りしめ敵に突撃する突撃兵は掃いて捨てるほどいる、しかし、高度な航空管制技術を駆使して空爆の指揮を執り一度に何百人、何千人を倒すことのできる特殊部隊員はCCTだけなのだ。アメリカを筆頭にNATOなどが行う陸空の戦力が精密機会の歯車の

    『米特殊部隊CCT 史上最悪の撤退戦』これまであまり語られてこなかった戦闘管制員の物語 - HONZ
  • そうだ、インド・ネパール料理店へ行こう!『カレー難民の謎 日本を制覇するインネパ』 - HONZ

    カレー移民の謎 日を制覇する「インネパ」 (集英社新書) 作者: 室橋 裕和 出版社: 集英社 発売日: 2024/3/15 不思議だと思っていた。にぎやかな下町に住んでいるとはいえ、徒歩圏内に「インド料理店」が五軒もある。うち一軒はビリヤニなどもメニューにあるホンモノのインド料理店だけれど、他の四軒は「インド・ネパール料理店」で、メニューも値段もえらく似通っている。 さらに不思議に思ったこともある。ちょうど5年前、トレッキングでネパールへ行った時にわかったのだが、カレーがほとんど出てこない。代わりによくべた、というよりべさせられたのはダルバートだ。豆(ダル)のスープと米(バート、もちろんインディカ種)がメインで、そこにカレーに似た、といってもそれほどスパイシーではないタルカリというのがついていて、アチャールという漬物や薬味が添えられている。トレッキングのガイドさんたちは毎ダルバー

    そうだ、インド・ネパール料理店へ行こう!『カレー難民の謎 日本を制覇するインネパ』 - HONZ
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    machida77 2024/04/29
  • 『絶海――英国船ウェイジャー号の地獄』訳者あとがき - HONZ

    絶海: 英国船ウェイジャー号の地獄 作者: デイヴィッド・グラン,David Grann 出版社: 早川書房 発売日: 2024/4/23 書『絶海――英国船ウェイジャー号の地獄』は、2023年にダブルデイ社から刊行されたデイヴィッド・グランのノンフィクション、The Wager: A Tale of Shipwreck, Mutiny, and Murder の翻訳である。 原書は、刊行された2023年4月からこれまで40週以上連続でニューヨーク・タイムズのベストセラーリストにランクインしている。オバマ元大統領の2023読書リストに選ばれた他、CBSニュースの番組「60ミニッツ」が書と著者グランの特集番組を制作放映。ウォール・ストリート・ジャーナル、GQ、エコノミスト、ボストン・グローブ、ニューヨーク・タイムズ、トロント・スター、ロサンゼルス・タイムズ、ニューヨーク・マガジン、タイ

    『絶海――英国船ウェイジャー号の地獄』訳者あとがき - HONZ
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    machida77 2024/04/24
    『花殺し月の殺人』と同じ著者による本
  • 『かがくを料理する』:「サイエンス×工作×料理」のおいしい世界! - HONZ

    かがくを料理する (Make:Japan Books) 作者: 石川 繭子,石川 伸一,加賀 麗 出版社: オライリー・ジャパン 発売日: 2023/9/27 先般、東京出張の折に、はじめてHONZの朝会というものに参加しました。HONZのメンバーが原則(少なくとも今回は)ひとり一冊、今読んでいる、あるいはこれから読もうと思っているを持ち寄り、そのに対する期待やおもわく(?w)について語る会です。 で、そのときHONZレビュアーの首藤淳哉さんが、『かがくを料理する』というを持っていらしたのです。 いえね、「料理の科学」みたいな路線のなら、わたしもこれまで何冊も読んできたんですよ。でも、「かがくを料理する」ってなんだろ??? って不思議に思ったのです。今どき科学と料理を結び付けて新しいを出すのなら、分子調理(分子ガストロノミー)方面の実践的入門書かな? とわたしは思いました。(実

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    machida77 2023/12/03
  • 『怪物に出会った日』敗北が持つ豊かな可能性 - HONZ

    『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』作者:森合正範 出版社:講談社 発売日:2023/10/26 彼の強さを確認するのは容易い。たとえば「井上尚弥 パヤノ」で検索してみよう。それだけで何もの動画を見つけることができる。 2018年10月7日、横浜アリーナで行われたこの試合は、バンタム級最強を決めるトーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ」の一回戦であるとともに、WBA世界バンタム級タイトルマッチでもあった。 勝負は一瞬でついた。王者の井上尚弥は元世界王者で挑戦者のファンカルロス・パヤノを、ゴングからわずか1分10秒でリングに這わせた。ワンツーの右ストレート。瞬殺だ。 強い。誰が見ても井上尚弥は強い。米国の歴史あるボクシング専門誌『ザ・リング』は、全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」を1989年から発表している。「もし階級や体重差がな

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    machida77 2023/11/11
  • 日本の競輪、その特殊性と、だからこその魅力についてを英国人記者が語る──『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』 - HONZ

    の競輪、その特殊性と、だからこその魅力についてを英国人記者が語る──『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』 この『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』は、英国人記者が語る日の競輪論である。日でどのように競輪が生まれ、育ち、危機を乗り越え、そして日ならではの独特な魅力はどこにあるのか、それを一冊を通して語り尽くしていく。 それにしても、なぜ英国人記者が日の競輪を語っているんだと疑問に思うかもしれない。その理由は簡単で、著者のジャスティン・マッカリーは日研究で修士号を取得し、読売新聞で編集者や記者として活躍。その後ガーディアンに入社し日特派員として活動する、日在住歴が30年にも及び、同時に競輪の熱狂的ファンだからだ。 書の「はじめに」は2017年に平塚競輪場で行われた日競輪最高峰のレースKEIRINグランプリの描写からはじまるが、その熱量ある文章は競輪

    日本の競輪、その特殊性と、だからこその魅力についてを英国人記者が語る──『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』 - HONZ
  • 『明治 大正 昭和 化け込み婦人記者奮闘記』化け込み=潜入取材ルポ 型破りな女性記者たちの物語 - HONZ

    2022年度の新聞・通信社における女性記者の割合は男性の4分の1弱である(一般社団法人日新聞協会調べ)。放送業界は多少マシな気もするが、それでもメディアが圧倒的に男性中心であることは変わらない。現代ですらそんな体たらくなのだから、戦前なんて推して知るべし。女性記者(当時は「婦人記者」といった)は各社片手で数えられるほどしかいなかった。 婦人記者という新たな職業が生まれたのは、明治20年代だという。女性読者の増加に伴い、女性向けの記事が求められ、東京や大阪の有力新聞が女性を採用するようになった。 とはいえ、のっけから婦人記者が活躍できたわけではない。女性向けの記事といっても、アイロンのかけ方、シミの抜き方といった家政記事か、政治家や実業家のお宅に赴き、奥様方に普段の生活や子どもの教育法などについてインタビューする名流婦人訪問記などがメインだった。 「号外に 関係のない 婦人記者」と当時の川

    『明治 大正 昭和 化け込み婦人記者奮闘記』化け込み=潜入取材ルポ 型破りな女性記者たちの物語 - HONZ
    machida77
    machida77 2023/06/29
    女性記者史の一つとしての新聞の潜入取材
  • 『土偶を読むを読む』縄文研究の最前線を伝える、肝の据わったまたとない反論本 - HONZ

    作者: 望月 昭秀,小久保拓也,山田 康弘,佐々木 由香,山科 哲,白鳥兄弟,松井 実,金子 昭彦,吉田 泰幸,菅 豊 出版社: 文学通信 発売日: 2023/4/28 今やあまりお目にかかれない書籍が出た。書は、2021年4月に出版された竹倉史人『土偶を読む』(晶文社)への反論である。それも、明確な事実と論拠に基づいて真っ向からメッタ斬りにする、恐ろしく肝の据わった一冊だ。 まず、当時の『土偶を読む』現象をおさらいしよう。同書は刊行直後からNHKを中心とする各メディアで注目を集め、SNSでも紹介記事や書評が大きくバズり、脚光を浴びた。人類学者が独自の見識から打ち立てた「土偶の正体は縄文人の用植物」説をイコノロジー(図像解釈学)で次々に解き明かしていくその内容は劇的かつ鮮やかで、養老孟司氏を始めとする著名人らの好評も後押しし、半年で六刷のベストセラーとなる。 極めつきは第43回サント

    『土偶を読むを読む』縄文研究の最前線を伝える、肝の据わったまたとない反論本 - HONZ
  • 『奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って  ーUDデジタル教科書体 開発物語』書体デザイナー、渾身のドキュメント! - HONZ

    『奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って  ーUDデジタル教科書体 開発物語』書体デザイナー、渾身のドキュメント! 「ディスレクシア(発達性読み書き障害)」という障害があることを知ったのは、ほんの数年前のことだ。トム・クルーズがこの学習障害で、台を読むことが出来ず、マネージャーに読んでもらって暗記する、と聞いたときには、そんなことがあるのかと驚いた。 文字をすばやく、正しく、疲れずに読むことに困難のある人を言い、そのメカニズムは完全に解明されていないという。 この障害は日人にも多く、日語話者の5~8%存在するという報告がされているという。知能レベルや知識の欠如に問題はなくても、会話を文字にすることや文字を読み上げることに大きな苦労を強いられるため、「やる気のない子」「読書が嫌いな子」などのレッテルを貼られがちだ。 さらに文字を読むことが困難な人には、発達障害やダウン症、色覚異

    『奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って  ーUDデジタル教科書体 開発物語』書体デザイナー、渾身のドキュメント! - HONZ
  • 『ある行旅死亡人の物語』あなたは誰?身元をたどる渾身のルポルタージュ - HONZ

    「行旅死亡人」とは病気や行き倒れ、自殺等で亡くなった身元不明の死者を表す法律用語である。死亡人は身体的特徴や発見時の状況を官報に公告される。 映画やミステリー小説でも良く登場する”誰かわからない”遺体。その身元を新聞記者が突き止める過程を記したのが『ある行旅死亡人の物語』だ。 共同通信大阪社会部の遊軍記者、武田惇志は記事のネタ探しのため官報に掲載されている「行旅死亡人」のサイトを閲覧していた。そこで目に留まったのが亡くなったときの「所持金ランキング」。一位は尼崎市の自宅アパート玄関先で発見された七十代と思しき女性で、なんと現金で約3500万を持っており、さらに右手の指が全て欠けていたという。すでに火葬され遺骨は尼崎市が保管していた。 発見から一年以上経っていたが、続報は見つからない。市の保健福祉センターに問い合わせると、こんな答えが返ってきた。 「タナカチヅコさんの件ですね」 この人は生前

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  • 『世界は五反田から始まった』足元から歴史が広がる - HONZ

    東京は広い。長いこと住んでいても、まだまだ知らない場所がたくさんある。 著者は東京品川区の戸越銀座で生まれ、現在もそこで暮らしている。著者の家は祖父の代からこの地で町工場を営んでいた。 戸越銀座は五反田から東急池上線なら二駅、都営浅草線なら一駅だ。戸越銀座も五反田もそれなりに知っているつもりでいたが、所詮それはピンポイントの知識に過ぎなかった。書を読むまで、このあたりを面としてとらえるイメージがまったくなかったのである。 戸越銀座と五反田は直線距離でわずか1・5キロほどしか離れていない。この界隈に住む人にとっては、戸越銀座商店街も五反田駅周辺も生活圏なのだ。五反田駅を中心とした半径約1・5キロの円を、著者は〈大五反田〉と呼ぶ。 書は〈大五反田〉の歴史を著者の個人史と結びつけて掘り下げた一冊だ。知らない街や他人様の歴史に興味はないと敬遠するのはあまりにもったいない。実は五反田は、日の近

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    machida77 2022/08/31
  • ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓 - HONZ

    「人間を生き残らせた出来の悪い足」という副題と、次の瞬間にはネコ科大型獣の餌になるという惨劇を予想させる表紙カバーの絵に興味を引かれて、ふと手に取ったでした。序論と第一章では、二足歩行に対するわれわれの思い入れの強さが指摘されていて、ぐっと内容に引き込まれました。ところが54ページまで読み進めたところで、重大な問題にぶつかってしまったのです。そこにはこう書いてありました。 キリストトカゲにせよヴェロキラプトルにせよ、二足歩行の利点とは要はスピードだと思われる。ゴキブリでさえ、非常時には二足で立ち上がって全速力で走る。 「ちょっと待て!」とわたしは思いました。ゴキブリは短距離ならば飛びもするし、普通でさえ、かなりのスピードでササササと走りまわりますよね。そこからさらに速度を上げるために、よりによって二足で立ち上がって走ると!? いやいや、それはありえないでしょう。 第一に、ゴキブリの

    ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓 - HONZ
    machida77
    machida77 2022/08/18
    刃牙のゴキブリを参考にしたゴキブリタックルを思い出さざるをえない
  • 『工藤會事件』史上最凶の暴力団の頭をとれ! - HONZ

    私はふるさと九州をこよなく愛する人間だが、ひとつだけ、どうしても好きになれないところがある。ヤクザが幅を利かせているところだ。 九州は観光地も多い。「人と金が集まるところに暴力団あり」で、地元に根をはるヤクザが各地にいる。暴力団といえば、山口組や稲川会、住吉会などの指定暴力団を思い浮かべる人が多いだろうが、地場の暴力団の中には、そうした全国組織が容易には入ってこられないような勢力を持つ組織も存在する。 現在、九州には全国組織ではない指定暴力団が7つもある。そのうち5つが福岡県に集中している。北九州市の工藤會、田川市の太州会、久留米市の道仁会、大牟田市の浪川会、福岡市の福博会だ(ちなみに残りふたつは鹿児島の小桜一家、沖縄の旭琉会)。 中でも工藤會の凶暴性は突出している。なにしろ逆らう者には容赦なく銃口を向けるのだ。市民への襲撃を繰り返し、相手が警察でもためらわない。捜査当局は長年にわたり工藤

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  • 『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ

    「その悩み、○○学ではすでに解決しています」みたいなタイトルのを見かけることがある。あなたが日々の仕事で直面する悩みや課題は、すでに最新の学説や理論で解決済みですよ、というわけだ。 だが当にそうだろうか。最新の学説や理論を応用すれば、世の中の問題はたちどころに解決するものだろうか。 著者は政治学を専門とする大学教授である。「話すも涙、聞くも大笑いの人生の諸々の事情」があって、47歳にして人の親となった。小学校のママ友やパパ友のほとんどは干支一回り以上年下だ。そんなママ友からある日「相談があります」と呼び出され、いきなりこんなお願いをされた。 「来年、PTA会長になってくれませんか?」 まさに青天の霹靂だ。驚いた著者は必死に出来ない理由を並べ立てる。「フルタイム・ワーカー」だから無理!「理屈っぽくて、短気で、いたずらにデカいジジイ」だから無理!ところがママ友は決してあきらめず、最後は情に

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  • 町のすてきな本屋さん サンブックス浜田山 - HONZ

    「え? なに、この屋さん、もしかして……なんか、すっごくおもしろくない!?」 スーパーの広告にアイスの特売が告知されていた。それだけの理由で降り立った、京王井の頭線浜田山駅。ふと見ると、駅前に屋さんがある。吸い寄せられるように店内へ。一見、ふつうの屋さん。でも棚を眺めているうちに、冒頭のような興奮がわき上がってきたのです。 90年代半ばくらいまでは、駅前や商店街には必ずといっていいほど、個人経営の「町の屋さん」がありました。すっかり数を減らしてしまった町の屋さんですが、だからこそ、町のすてきな屋さんを見つけたときの喜びは大きく、「みんなに教えたい!」と気持ちは舞い上がります。 「ふつうの屋さん」に見えるこのお店が、なぜこんなに「おもしろい!」のか? 知りたい! 後日アポをとって出直し、浜田山駅前の屋さん――サンブックス浜田山さんの木村店長にお話をうかがってきました。 長い記

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    machida77 2022/05/24
  • 海外ノンフィクション全集を作ろう!@本の雑誌2021・9月号 - HONZ

    屋大賞ノンフィクション賞はじめ、ここ数年ノンフィクションを読む人が増えてきた。でもよくわからないのが海外ノンフィクション。いったいどんな作品があって、どんな風に面白いの?というわけでの雑誌のノンフィクション好き代表の杉江由次が、HONZの東えりかと誌でノンフィクション新刊レビュー担当の冬木糸一に声をかけた。無謀にもジャンル別50冊を語りつくすという。はてさてどんなラインナップになったやら…。 杉江 二十一世紀版海外ノンフィクション全集を編もうという座談会なんですけど、とりあえずジャンル別であげていきましょう。いちおう〈自然科学〉〈事件〉〈文化人類学〉〈冒険〉〈その他〉の5ジャンルを設定しましたが、もっといい分類があれば変えてもらってかまいません。 冬木 自然科学なら、サイモン・シンは一冊は入れておきたい。やっぱり『フェルマーの最終定理』ですね。                    

    海外ノンフィクション全集を作ろう!@本の雑誌2021・9月号 - HONZ
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    machida77 2021/11/06
  • 『捕食者 全米を震撼させた、待ち伏せする連続殺人鬼』何百時間もの取材を基に未解決事件の犯人に迫る - HONZ

    書は米国における今世紀最初の「シリアルキラー」による連続殺人事件を追ったノンフィクションだ。その事件は、1件の殺人を除いてすべてが未解決に終わるという、FBI(米連邦捜査局)にとって不名誉なものでもあった。 発端となったのはサマンサ・コーニグ誘拐殺害事件。2012年2月1日の夜、アラスカ州のアンカレッジという小さな町のコーヒースタンドでアルバイトをしていた18歳の女子高校生、サマンサが何者かに誘拐された。 この事件に関しては、初動からミスが続いた。サマンサが不良少女であったことや、彼女の父親がドラッグの売人だったことから、警察は真剣に捜査しようとしなかった。それに異を唱えたのが、FBIアンカレッジ支部のペイン捜査官だ。 彼の粘り強い働きかけや、犯人からの身代金要求もあり、格的な捜査が開始される。そうして、イスラエル・キーズという男が逮捕された。キーズの自供から、サマンサは誘拐後、2度レ

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  • ヤクザに非常識と言われた男が書く『喰うか喰われるか 私の山口組体験』 - HONZ

    いまから15年ほど前のこと、「週刊現代」編集部に戻って、まっさきに執筆を依頼したのが溝口敦さんだった。そのときの様子を、溝口さんは自伝的ノンフィクション『喰うか喰われるか 私の山口組体験』(5月13日刊、講談社)でこう書いている。 二〇〇六年三月、講談社の加藤晴之さんに会ったとき、彼から「細木数子について四回くらい連載できないか」といわれた。彼はこの年の二月、「週刊現代」の編集長に就いたばかりだった。 細木数子に特別関心があるわけではなかった。何か目障りな女がいるなぐらいの認識で、テレビで彼女が登場する番組に出合うと、チャンネルを替えていた。彼女を見る気がしなかったのだ。 当時の細木数子は、自ら考案したという占星術と、「地獄に落ちるわよ」「あんた死ぬわよ」など啖呵売のような喋りで人気者となり「視聴率の女王」の異名をとるテレビタレントだった。だが業界筋では、陽明学者で政界のご意見番・安岡正篤

    ヤクザに非常識と言われた男が書く『喰うか喰われるか 私の山口組体験』 - HONZ
    machida77
    machida77 2021/06/24
    内容はもっぱら溝口敦が記事にした細木数子の件。