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ブックマーク / www.whitepapers.blog (2)

  • 生きる人間のリアル 驚くべき<真実> 〜「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ - ことばを食する

    小説」と「文学」の違いは何なのでしょう。文学の1ジャンルが小説である、というのは分かりやすい解釈ですが、読者として作品に接する皮膚感覚で言えば、いい小説が必ずしも優れた文学ではありません。つい、おかしなことから書き始めてしまいました。 「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ、ハヤカワepi文庫)を読んで、わたしの感覚がとらえたのは「久しぶりに文学を読んだ」でした。カズオ・イシグロさんの作品は初読です。 生まれ育った施設のこと、施設を出てからの生活や介護人としての仕事。キャシー・Hという女性の日常と内面が、きめ細かく描かれていきます。緻密で冷静な筆致が、一人の人間のリアルを切実に浮かび上がらせていく、成長の<物語>なのです。 最後は、哀切。 この抑えて乱れることのない日常についての書きぶりこそが「凄み」なのだと、読み進むうちに気づくことになります。なぜか。 当なら、ここで種明かしをした

    生きる人間のリアル 驚くべき<真実> 〜「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ - ことばを食する
    madam-asako
    madam-asako 2020/07/10
    カズオイシグロ
  • 心地よいウイット 〜「ニューヨーカー・ノンフィクション」常盤新平 編・訳 - ことばを食する

    最近は<巣ごもり>気味なので、このさい難破船のごとき部屋のを整理しようと思い立ったのが昨日。開始15分で早くもどう収拾をつけるか茫然とし始め、手にとった昔のをちょっと開いてみたら、現実逃避という悪癖が即座に作動して読みふけってしまいました。で、この部屋、どうしよう...。 「ニューヨーカー・ノンフィクション」(常盤新平編・訳、新書館 たぶん絶版)は1982年刊。ニューヨークの週刊誌「ニューヨーカー」に掲載されたノンフィクションから、英米文学者で抜群のセンスを有する常盤さんが、気に入った作品を選んで訳した1冊です。 日のスポーツ総合誌といえば、なんと言っても「Number」ですが、ライターたちが参考にしたのは「ニューヨーカー」などで活躍した先輩陣ではないかと、個人的に推測しています。「Number」と「ニューヨーカー」を比較してみると、そこに国民性が見えるようでなかなか面白い。 「Nu

    心地よいウイット 〜「ニューヨーカー・ノンフィクション」常盤新平 編・訳 - ことばを食する
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