今週は趣向を変えて、ドラマについて書こう。同じメディアでも、活字とテレビでは表現力がまったく異なる。政治を扱うとなると、なおさらだ。このところ空き時間を縫って、いくつかテレビドラマを見ていて、そう感じた。 飽きない『坂の上の雲』 その1つは、NHKが昨年秋から再放送している『坂の上の雲』だ。 これは2009年から11年にかけて年末に放送された。当時もDVDに保存したが、今回の再放送を機に録画して見直している。2度3度と見ていても、飽きない。日本制作で「ここまで出来たか」と思わせるほど完成度が高い。戦闘シーンのリアリティだけでなく、繊細な人間模様を美しい映像で描いている。 脇役の正岡子規は、病に倒れた子規を香川照之が激ヤセして演じた。迫真の演技を見ると、後に「半沢直樹」でワルの常務役を演じた香川がまるで別人のように見える。「半沢直樹」も大ヒットしたが、正直言って私はあまり好きになれなかった。