(編集部注:記事内で『君たちはどう生きるか』本編の内容に触れています) 宮﨑駿監督の新作『君たちはどう生きるか』は、公開前の宣伝や情報公開を一切行わないという異例の状況のなかでの公開となった。私は期待と不安を胸に公開日に劇場に足を運んだが、その第一印象は、全部見たことがあるような気がするのに、全てが新しい、というものだった。宮﨑駿とジブリのこれまでが全て詰まっているにもかかわらず、確実にこれまで見たことのない、新しい宮﨑作品となっていることへの驚きだ。宮﨑駿という人の、枯れることのない創造力に心の底から驚嘆した。その印象は、鑑賞から数日経った今でも変わっていない。 その一方で、公開以降、私のような絶賛の声もあれば、「分からない」という声もまた目立った。まるで夢の中のように生起するさまざまな出来事や文物に、最終的に分かりやすい説明が与えられることはない。そのあり方はこれまでの宮﨑作品と比較し
日銀は、2013年の4月上旬に当時の黒田総裁のもとでいわゆる異次元緩和を導入した金融政策決定会合の議事録を公開しました。 この会合では、黒田総裁をはじめ政策委員の多くが2%の物価目標を2年程度で実現することへの意気込みを示しましたが、実現の難しさを指摘する声が相次いでいたことがわかりました。 金融政策決定会合 2013年4月4日 議事録によりますと、就任後初めて会合に臨んだ黒田総裁は異次元緩和の導入にあたって「戦力の逐次投入は避け、2%の物価目標をできるだけ早期に実現することを目指すべきだ。具体的な期間として私自身は2年程度の期間を念頭に置いている」と発言しました。 当時の岩田規久男副総裁も「15年も続くデフレから脱却するには2年程度で2%のインフレ目標を達成し、その後も安定的に維持するという約束が必要だ」と主張しました。 また、当時の佐藤健裕審議委員は「2年でけりをつけるくらいの気持ちで
異次元緩和にギャンブルの懸念 総裁交代、「2年で物価2%」へ一変―日銀の13年上期議事録 2023年07月31日09時01分配信 退任記者会見を終え、退席する日本銀行の白川方明総裁(肩書は当時)=2013年3月、日銀本店 日銀は31日、2013年上半期(1~6月)の金融政策決定会合の議事録を公表した。12年12月に発足した第2次安倍晋三政権が求める2%の物価目標導入に否定的だった白川方明総裁(肩書は当時、以下同)が13年3月に任期途中で退任、後任の黒田東彦総裁がアベノミクス「第1の矢」として異次元の金融緩和に踏み出した時期に当たる。「2年程度で2%」の実現を目指した「黒田バズーカ」には当初から「ギャンブル」との懸念が出ていたことが分かった。 「共同声明」前夜、高まる圧力 安倍政権発足、物価目標2%へ―日銀議事録・12年下期 安倍政権が任命した積極緩和論者の黒田氏の下、日銀と政府の関係は対立
法政大学教授(経済学)水野和夫さん 法政大学教授水野和夫氏は経済学者ケインズの言葉を借り「豊かにすること」はあくまで中間目標でその先に「明日のことを心配しなくていい社会」を目指さなくてはならないと主張する。水野氏を取材した朝日新聞社編集委員の原真人氏の新著『アベノミクスは何を殺したか 日本の知性13人との闘論』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集し、いま必要な「新しい資本主義」について紹介する。 【グラフ】日本の相対的貧困率の推移はこちら * * * どんな資本主義が望ましいのか。そもそも資本主義や経済成長は私たちにとって必要不可欠なものか。この章では、そういう大きな問題意識をもって賢人たちの意見を聞いてみたい。まずは「資本主義は終焉した」と喝破する経済学者、水野和夫の話を聞く。 数百年レベルの歴史軸のなかでアベノミクスはどう位置づけられる政策なのか。いま起きている経済現象はどんな歴史的
『2023UCI自転車世界選手権大会』イギリス・グラスゴー大会は、自転車競技のオリンピック・パラリンピック採用種目をはじめ複数種目が同じ場所、同じ期間で開催される史上初の大会。 この世界が注目する大会に、日本自転車競技連盟(JCF)として新たなイメージの発信と競技での勝利を目指し、全種目で共通のエレメントを用いた新デザインの競技ウェアを今回の世界選手権大会から採用する。 デザインコンセプト:ファンと共に勝利を目指す JAPAN CYCLING ① 日の丸と富士山 (代表全種目の競技ウェアで採用) 日本を象徴する国旗をイメージさせる日の丸に富士山をあしらった。ファンや観客の皆様が見つけやすいデザインにすることで、競技者や関係者との一体感をもって日本チームを応援して欲しい、そのような期待と願いが込められている。 ② 矢絣(やがすり) (BMXフリースタイル以外全てで採用) 競技ウェアの一部に矢
日銀が「異次元緩和」導入を決めた2013年4月4日の金融政策決定会合で、当時審議委員だった木内登英・野村総研エグゼクティブ・エコノミストは、年2%の物価安定目標の達成期間を「2年程度」とすることにただ一人反対した。 あれから10年がたっても2%目標は達成していない。当時の日銀の判断は正しかったのか、木内氏に聞いた。【聞き手・岡大介、杉山雄飛】 「2年で達成」の落とし穴 ――異次元緩和を始めた13年4月の会合での判断を今どう捉えていますか。 ◆異次元緩和をやらない方が良かったと思います。13年1月の政府と日銀の共同声明では、2%の物価安定目標は企業や政府も含めみんなで目指す位置づけでした。黒田東彦前総裁のもとで2%目標を2年で達成すると強く打ち出したことで、2%目標が「金融政策のみで達成する短期目標」に意味づけが変わってしまいました。 私は目標達成の期限を2年と示すことには反対しましたが、結
明治時代から昭和初期にかけて、さまざまな職業に変装して、知られざる世界の裏側をリポートした女性記者がいた。文筆家の平山亜佐子さんの著書『明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記』(左右社)から、一部を紹介しよう――。 25歳で自伝が出版された“最初の化け込み記者” 1907(明治40)年10月18日、「大阪時事新報(*1)」朝刊に〈家庭視察の命めい――変装の苦心――花売りも駄目――上流向の小間物屋――眠られぬ夜の旅情たびごころ〉の文字が躍った。婦人記者が雑貨を扱う行商人に化け、上流階級の家庭に潜入するというのだ。 読者の覗き趣味を満たす「化け込み」シリーズ「婦人行商日記 中京なごやの家庭」の記念すべき幕開けである。始めたのは「大阪時事新報」の下山京子、最初の化け込み婦人記者である。 京子はこの企画で鮮烈な社会的デビューを飾った。この企画の画期性を知ってもらうには当時の新聞記者の地位および婦人記
50年後、熱波で35億人が移住を余儀なくされる恐れがあるとの研究結果が発表された/Dibyangshu Sarkar/AFP/Getty Images 香港(CNN) もしも今のままのペースで地球温暖化が続いた場合、現在30億人が暮らしている場所が、50年後には暑すぎて人の住めない場所になるかもしれない――。考古学や気候学、生態学の専門家でつくる国際チームがそんな研究結果を発表した。 この研究は4日の米科学アカデミー紀要に発表された。気温が1度上がるごとに、10億人が別の場所への移住を余儀なくされるか、極端な猛暑に順応しなければならなくなると予測している。 米ワシントン大学の専門家はこの予測について、「私たちが今のやり方を変えなかった場合に起こり得る」最悪の筋書きと形容する。 研究チームが歴史的な世界気温と人口分布に関するデータを分析した結果、世界の人口の大部分は、年間平均気温が11~15
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