ブックマーク / natrom.hatenablog.com (34)

  • ジャガイモの水分と甲状腺がんの過剰診断 - NATROMのブログ

    ジャガイモのパラドクス 「ジャガイモのパラドクス」は直感に反する数学の問題の一つです*1。Wikipediaから引用し、和訳しました。計算すれば答えは出ますが、まずは直感で考えてみてください。 フレッドは100kgのジャガイモを家に持ち帰りました。このジャガイモは、99%が水分で構成されています。彼はそれを一晩外に置いておき、水分が98%になるまで乾かしました。このとき、乾かしたジャガイモの重さはどれくらいになるでしょうか? 実際のジャガイモの水分含有率は80%ぐらいだそうです。99%が水分とはずいぶんとみずみずしいジャガイモですが、「純粋に数学的なジャガイモ」だとみなしてください。あるいは、もっと水分含有量の多い別のべ物に置き換えていただいてもかまいません。考え方の質には影響しません。 答えは下のほうに。 計算自体は簡単です。100kgのジャガイモのうち、水分は99%ですので、固形部

    ジャガイモの水分と甲状腺がんの過剰診断 - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2024/09/27
    “100kgのジャガイモを家に持ち帰りました。このジャガイモは、99%が水分で構成されています…水分が98%になるまで乾かしました。このとき、乾かしたジャガイモの重さはどれくらいになるでしょうか?”
  • シックハウス症候群と化学物質過敏症は異なる - NATROMのブログ

    「化学物質過敏症」という疾患概念は公的には認められておらず、盲検法による負荷テストでは化学物質曝露と症状の関連は確認できません。化学物質過敏症とされる患者さんの症状が誘発される原因は化学物質ではないことが示唆されます。こうした化学物質過敏症の疾患概念に懐疑的な記事を書くと、「そうは言っても私は化学物質によって体調が悪化した」という声が寄せられます。 化学物質によって体調が悪化する患者さんの存在は否定していません。新築した家の建築材料や壁紙から出る化学物質(揮発性有機化合物)によって生じるシックハウス症候群はその典型的な事例です。お酒の強さに個人差があるように、特定の化学物質に対する耐性に個人差があることは当然のことです。Aさんには問題ない濃度の化学物質でもBさんには症状を引き起こすかもしれません。なお、化学物質だけではなくダニや真菌もシックハウス症候群の原因になります。 海外ではオフィスビ

    シックハウス症候群と化学物質過敏症は異なる - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2024/08/30
  • 化学物質過敏症に関して厚労省見解と異なるパンフレットが自治体で紹介される理由 - NATROMのブログ

    先日、maruさんが発表したnoteが注目を集めました。そのnoteでは、多くの自治体が提供する化学物質過敏症に関する情報が、厚生労働省の見解とは異なる「厚労省研究班のパンフレット」に基づいていることについて注意を喚起しています ■「化学物質過敏症」の伝え方 自治体掲載の「厚労省研究班のパンフレット」は厚労省の見解とは全然違う|maru ■[B! 医療] 「化学物質過敏症」の伝え方 自治体掲載の「厚労省研究班のパンフレット」は厚労省の見解とは全然違う|maru 化学物質過敏症の疾患概念については議論があるところで、医学界で広く認められている病名ではありません。化学物質過敏症という病名は、海外において化学物質と因果関係があるかどうか不明の症状まで化学物質のせいにしてインチキ医療を行う医療者たちに利用されてきました。たとえば、化学物質過敏症の第一人者とされているウィリアム・レイ医師は、ホメオパ

    化学物質過敏症に関して厚労省見解と異なるパンフレットが自治体で紹介される理由 - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2024/07/31
    “本当に化学物質や電磁波が原因であるのならともかく、誤認であるのならそう誤認させた医師の責任はきわめて重いと言えます”
  • 福島県の甲状腺検査のメリットは明確ではない - NATROMのブログ

    ハフポストが、福島県の甲状腺検査の過剰診断の問題について報じました。 ■甲状腺がんの「過剰診断」問題、福島県議会で議員が指摘。専門家が「2年後のお楽しみ」と発言したことも明らかに | ハフポスト NEWS 論点は複数ありますが、今回は、とくに検査のメリットについて論じます。福島県の甲状腺検査は無症状者に対して行われており、事実上のがん検診です。一般的に、がん検診のメリットはがんの死亡率の減少です。しかし甲状腺がんはもともと死亡率は低く、また甲状腺がん検診が甲状腺がん死亡率を減らすエビデンスはありません。 ハフポストの記事でも引用されていますが、検査のメリットについて、福島県立医科大は「異常がないことがわかれば安心につながる」や「早期診断・早期治療で手術合併症リスクや再発のリスクを低減する可能性」を挙げています。いずれも不適切かつ不十分であると考えます。 「異常がないことがわかれば安心につな

    福島県の甲状腺検査のメリットは明確ではない - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2024/06/30
    “一般的に、がん検診のメリットはがんの死亡率の減少です。しかし甲状腺がんはもともと死亡率は低く、また甲状腺がん検診が甲状腺がん死亡率を減らすエビデンスはありません” “一方、デメリットは確実にあります
  • 因果関係も不明なのに「ワクチンの副反応が出やすい素因」を特定できるはずがない - NATROMのブログ

    2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。平岡さんは「HPVワクチンの深刻な副反応・薬害としての自己免疫性脳症が、相当規模で存在していると推測」しておられます。具体的にはワクチン接種者の「数千人に1人」が「POTS, CRPS, ME/CFS, 繊維筋痛症などの症状が入れかわり立ちかわり現れ、認知障害なども絡む」症状を呈するとしています。 平岡さんの主張の一つに、「接種を受けると副反応が出やすい素因」を持つ人をワクチン接種対象から外すことで問題解決が可能になるというものがあります。 →接種を受けると副反応が出やすい素因を持つ人がいることが分かるので、そういう人を接種対象から外す方向で、問題解決が可能になるのではと思います。私は、「HPVワクチンを接種すると重篤な副反応が出やすい素因を持つ人が接種を受けたことに起因する現象が起きて

    因果関係も不明なのに「ワクチンの副反応が出やすい素因」を特定できるはずがない - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2024/04/30
    “ワクチンを接種した人とワクチンを接種しない人とを比較した大規模な研究ではことごとく、HPVワクチンと「重篤副作用とされる症状」との因果関係は証明されませんでした”
  • 「がん死亡率減少がない=過剰診断」という誤解 - NATROMのブログ

    「検診によるがん死亡率減少がない=過剰診断」という誤解はよくみられす。福島県の甲状腺がん検診に反対している人たちの間でもあります。検診によるがん死亡率減少と過剰診断の関係について説明を試みます。 無症状でがん検診を受けてがんと診断された人は、以下の4つのどれかです。 1. 検診を受けても受けなくてもがんで死ぬ運命だった。検診で発見された時点で手遅れ。 2. 検診を受けたおかげでがんで死ぬことを避けられた。 3. 検診を受けていなければいずれ症状が出てがんと診断される運命であったが、それからがんの治療をしても、がんで死ぬことはなかった。 4. 治療を受けなくても一生涯症状が出ず、検診を受けていなければがんと診断されることもなかった。 4.が、みなさんおなじみ「過剰診断」です。一方、原則として、がん検診の利益としてカウントされるのは2.です*1。検診を受けると、受けない場合と比べて、がん死亡率

    「がん死亡率減少がない=過剰診断」という誤解 - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2023/09/27
    1〜4がMECEなのか一見よくわからない…わかった。今回の検診を受けなければ: (死んでいた: (今回の検診を受けた結果: 1. 変わらず死ぬ 2. 助かった)) (死ななかった: (放置しておくと症状が: 3. 出たはず 4. 出なかった))
  • 世界はゆっくりと良くなっている 日本の年齢別がん死亡率の推移 - NATROMのブログ

    において、がんは死因順位の第1位である。がんにかかる人やがんで死ぬ人をゼロにすることはできないが、医学は進歩し、予防法も治療法も改善している。全世界でも日でも、年齢別がん死亡率や年齢調整がん死亡率は徐々に減少している。ここでは日の年齢別がん死亡率の推移をグラフで紹介しよう。引用はすべて■Cancer Over Timeから。 日の小児のがん死亡率は減少している すべてのがんの死亡率でみると、日の小児(0歳~14歳)のがん死亡率は、男女ともに1970年ごろをピークに、以降は減少し続けている。小児には白血病やリンパ腫などの血液系の悪性腫瘍が多い。これらのがんに対する化学療法(抗がん剤治療)は大きく進歩している。 日の0~14歳の全がん粗死亡率(10万人年あたり)の推移、男女のAYA世代のがん死亡率は減少している AYA世代とはAdolescent and Young Adu

    世界はゆっくりと良くなっている 日本の年齢別がん死亡率の推移 - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2023/06/01
    “人は必ず死ぬので、がん以外の病気で死ななくなればそのぶん、がん死亡は増える。そのため高齢者層のがん死亡率は、医学が進歩してもなかなか下がりにくい”
  • 「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ

    プレジデント2022.10.14号で「信じてはいけない!健康診断、医者、クスリ 最新版・コロナ対応 病院に頼らない生き方」という特集が組まれ、養老孟司氏と和田秀樹氏の対談が掲載されました。その対談から和田氏の発言部分を引用したツイートが6000件以上のリツイート、1.6万件以上の「いいね」がされました。 これ、もう答え出てるじゃん。 プレジデント 2022.10.14号 和田秀樹氏 pic.twitter.com/AW5M7xfsCK— のりのりもふもふ (@SFtFQjTAUuQzPVF) October 6, 2022 引用された和田氏の発言は「財政破綻した夕張市が結果的に社会実験になりました。市民病院が廃院になって、19床の診療所だけになり、しかも無料バス廃止で通院に1000円かかるようになり、多くの人が医者にかかれなくなった。市民の健康状態は悪化するのかと思われたが、ほとんどの病気

    「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2022/10/26
    “表紙には『東大医師「私が血圧200でも”不安ゼロ”の理由」」』「”コレステロールは下げなさい”は間違い」というあおり文句。そのほうが売れるのでしょう”
  • 乳がん検診と子宮頸がん検診が毎年ではなく2年に1回なのはなぜか? - NATROMのブログ

    名古屋市会議員の塚つよし氏が、子宮頸がん検診と乳がん検診の検診間隔が2年に1回の隔年であり、毎年がダメな理由についての説明を求めるツイートをしておられました。よい質問だと思います。ツイッターでもお答えしましたが、ブログでも解説いたします。 https://t.co/ChBE8Ph1fK 名古屋市の #がん検診 推進事業において #乳がん と #子宮がん は検診回数を「2年に1回」の隔年に制限されています。厚生労働省の委員会指針が根拠で職員の方と電話で話しましたが「毎年がダメな理由」が判然としない。 だれか説明できませんか?#塚つよし#名古屋市中区— 塚つよし 名古屋市会議員 (中区選出)立憲民主党 (@1192mizuho) July 29, 2022 端的に言えば現在の日で行われている子宮頸がん検診と乳がん検診は、毎年の検診を行っても、隔年の検診と比べて、検診による害が大きくなる

    乳がん検診と子宮頸がん検診が毎年ではなく2年に1回なのはなぜか? - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2022/08/31
    図の「正味の利益(Screening value)」は、Benefits - (Harms + Costs) だろうな。で、この曲線はがんの種類によって異なる、と。基本的には、High Valueになるがん検診のみが推奨される。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html
  • 「がん死亡数が増え続けているのは先進国では日本だけ」は誤り - NATROMのブログ

    がんに関する不正確な情報の一つに「がん死亡数が増え続けているのは先進国では日だけ」「がん死亡数は欧米では減っているが日だけ増加し続けている」というものがある。「抗がん剤は害しかない」「がん検診は無駄だ」「残留農薬や添加物が多い事が原因だ」とかいったニセ医学的な主張と同時に言われていることもしばしばだ*1。 日のがん死亡数増加の主因は高齢化である。他の要因が変わらなくても高齢者の人口が増えれば、がんで死亡する人の数は増える。生活習慣や公衆衛生、医療環境が改善され、他の病気でなかなか死ななくなる一方で少子化が進み、人口全体が高齢化すると、相対的にがんの死亡数や粗死亡率*2は増える。 一方、高齢化の影響を補正した年齢調整死亡率は、他の先進国と同じく、日でも減少している。ただ、「がん死亡数が増え続けているのは先進国では日だけ」というデマに対抗して高齢化の影響を持ちだすと、「他の先進国で

    「がん死亡数が増え続けているのは先進国では日本だけ」は誤り - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2022/06/28
    最後のグラフ。年齢をそろえて比べると、日本人のがんは別に多くないし減っている。特に女性は米英仏などより少ない。
  • イソジンうがいで新型コロナの重症化予防という話はどうなったか追いかけてみた - NATROMのブログ

    2020年8月の会見「うそみたいな当の話」 新型コロナウイルス感染症の第四波の真っ最中で、とくに大阪府は厳しい状況だ。大阪と言えば、昨年2020年8月に大阪府吉村洋文知事が会見で「うそみたいな当の話をさせていただきたい。ポビドンヨードを使ったうがい薬、目の前に複数種類ありますが、このうがい薬を使って、うがいをすることでコロナの陽性者が減っていく」と述べた。また、接待を伴う飲店の従業員や医療介護者・介護従事者などに「ポビドンヨードうがい薬によるうがいを励行」を勧めた*1。ポビドンヨードを使ったうがい薬の代表的な商品がイソジンうがい薬である。会見はテレビで放送され、うがい薬の売り切れが続出したという。 ポビドンヨードに新型コロナウイルスを不活化する作用があるのは事実だ。ただ、それは試験管内、実験室内の話で、実地臨床の場において感染予防効果や重症化予防効果があるかどうかは別問題である。

    イソジンうがいで新型コロナの重症化予防という話はどうなったか追いかけてみた - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2021/04/15
    “ポビドンヨードに新型コロナウイルスを不活化する効果があるのは事実だ。ただ、それは試験管内、実験室内の話で、実地臨床…風邪ウイルスを不活化する効果があるのに実地臨床において感染予防効果が水よりも劣る”
  • ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ

    新型コロナウイルスワクチンが、日でも今年の2月から順次接種される予定だ。発症予防と重症化予防の効果は確かで、短期的な安全性も海外で数万人単位の臨床試験および千万人単位での実地での接種が済んでおりほぼ確認されている。重篤な副作用はあるが頻度は十分に小さく、害より利益が上回るのは明確だと私は判断し、順番が来た時点ですみやかに接種を受けるつもりである。 しかしながら、他者への感染予防効果については、効果は示唆されるものの、現時点では確実とは言えない*1。また、当然のことであるが1年以上を単位とした長期的な副作用の有無はまだわからない。ワクチンを接種するのをためらい、保留する人がいるのは当然のことだ。あるいは、どんなにまれであっても重篤な副作用が起きる可能性があるワクチンを接種したくない人もいるであろう。 どのような医療を受けるかを決める権利は人にある*2。もちろん、ワクチンについてもそうだ。

    ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2021/01/30
    “ワクチンを不安に思い接種しないことと、ワクチンの不安を煽って他者にワクチン接種を忌避させることは、明確に区別されるべきだ”
  • 書評『「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論』 - NATROMのブログ

    「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論 (単行) 献御礼。タイトルの通り、色覚についての自然科学、および、「色覚異常」*1と社会との関わりについて書かれただ。サイエンスの部分(第2部)も興味深いが*2、その部分の書評は他の方に任せて、社会との関わり、とくに医師が関わる部分について述べる。 かつて学校で先天性色覚異常の検査が行われていた。私も小学生のころ学校で色覚検査を受けたことがある。2003年に学校での色覚検査は学校健診の必須項目から削除されたそうだが、検査に使う石原式色覚異常検査表を見たことがある人は多いだろう。その後、私は医学部に入学したが、当時、色覚異常でも受験資格があったどうかは記憶にない。当事者でなければ気にせずにいられたわけだ。医学部では眼科学は学ぶが色覚異常はさほど深くは学ばない。むしろ遺伝学に関連して、ヒトの伴性遺伝の例として学んだことをよく覚

    書評『「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論』 - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2020/11/19
    “スクリーニング(=無症状者に広く検査を行い病気や異常を拾い上げること)の害は過小評価されている…利益が害を上回ることを示す責任があるのはスクリーニングを推進する側である”
  • 布マスクはないよりマシなのか? - NATROMのブログ

    ■「子供のマスクは手作りを」 学校再開に向け文科省が呼びかけ - 毎日新聞という記事が出ていた。文部科学省が手作りマスクの普及を呼びかけたという。ただ、布マスクが新型コロナ感染症の予防に役立つかどうかは、微妙なところである。現時点では明確な結論は出せない。このエントリーでは、布マスクの感染予防効果を論じた研究、および現時点におけるWHOとCDCの見解を紹介し、その上で、私の個人的な見解を述べる。 布マスクの感染予防の研究、WHOとCDCの勧告 医療機関で働く医療従事者は、自らが感染することを予防するためにマスクを使用する。通常は、使い捨ての医療用マスクを使用するが、布製のマスクで代用可能かを検証したクラスターランダム化比較試験が行われた*1。論文によると布マスクについて行われた最初のランダム化比較試験で、私が調べた範囲内では布マスクの臨床における感染予防を評価した唯一のランダム化比較試験で

    布マスクはないよりマシなのか? - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2020/03/27
    “布マスクに利点があるとしたら、不足しがちな貴重なマスクを不適切使用で消費されるぐらいなら、布マスクでもしてもらったほうがありがたいということだろうか…パターナリズム的であまりよい考えではない”
  • もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか? - NATROMのブログ

    COVID-19(いわゆる新型コロナウイルス感染症)症例が福岡でも出ました。私の外来にも「新型コロナが心配」という患者さんがぼつぼつ受診しています。幸い、私の外来ではいまのところはどなたも肺炎にはなっておらず、現時点では検査は不要だとご説明し、ご納得を得られています。 たまに誤解している人もいらっしゃいますが、現在(2020年2月22日)では新型コロナの検査に、中国への渡航歴や感染者への接触歴は必須条件ではありません。そうした条件を満たしていなくても、入院を要する肺炎や医師が総合的に判断し新型コロナ感染症を疑う場合など、「昨今の国内外の発生状況を踏まえ、これらの地域に限定されることなく、医師が新型コロナウイルス感染症を疑う場合に、各自治体と相談の上で検査することになります」*1。 ネットでは「検査をしてくれない。要求しても断られる」という声を聞きます。自分や家族が病気のときに望む検査をして

    もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか? - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2020/02/26
    "新型コロナの検査は肺炎が治る確率を上げませんし、むしろわずかですがマイナスの影響がある可能性があります"
  • 「HPVは子宮頸癌の原因ではない」というトンデモ説 - NATROMのブログ

    喫煙は肺癌の原因の一つである。「タバコは肺癌の原因だ」という主張には、「タバコを吸ったら必ず肺癌になる」とか、あるいは「肺癌の人は必ずタバコを吸ったことがある」とかという主張は含まれない。「タバコを吸っていると、吸わないよりは肺癌になりやすい」という意味である。細かいこと*1を言い始めたらきりがないが、医学上の因果関係を表す際に「タバコは肺癌の原因だ」といった表現が一般的であることにほとんどの人は同意していただけるもののと思う。 HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸癌の原因である。この点において医学界で議論はない。HPVと子宮頸癌の関係は、喫煙と肺癌の関係と同程度か、それ以上に強い。具体的に数字で示そう。「タバコを吸っていると、吸わないよりは肺癌になりやすい」として、タバコ吸わない人と比較して吸う人は何倍ぐらい肺癌になりやすいのか?報告によっても差があるが、喫煙-肺癌の場合は5〜20倍

    「HPVは子宮頸癌の原因ではない」というトンデモ説 - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2019/10/29
    “「HPVは子宮頸癌の原因ではない」と主張している人やウェブサイトの情報は信頼できないとみなしてよい。一切参考にしなくてよい”
  • HPVワクチンの定期接種は人体実験だったのか? - NATROMのブログ

    厚生労働省のリーフレット(平成25年6月版)には「子宮頸がん予防ワクチンは新しいワクチンのため、子宮頸がんそのものを予防する効果は証明されていません」*1との記載があった。子宮頸がんのほとんどはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因で起こるのだが、HPVに感染し、前がん病変を経て、子宮頸がんに至るまでは時間がかかる。人によっても差はあるが、数年間から長ければ数十年間といったところだ。よって、ワクチンを接種してから子宮頸がんの減少が観察できるまでは時間がかかる。 子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日産科婦人科学会)より引用 URL:http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4 細かいことを言えばワクチン接種後に浸潤子宮頸がんが減ったとする報告はUSAとフィンランドからあるが*2、エビ

    HPVワクチンの定期接種は人体実験だったのか? - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2019/10/29
    “子宮頸がんを減らすことが期待できるだけの十分な蓋然性、合理性がある”
  • 「謎水装置」から学ぶニセ医学の手口 - NATROMのブログ

    「謎水装置」は血中酸化ストレスを減少させると主張されている 「株式会社日システム企画」が製造販売する、配管内の赤錆を黒錆に変えて赤水を解消する効果があると称する「NMRパイプテクター」という商品がある。福岡市営地下鉄に広告が出ているのを見たことがある。さて、私も寄稿した『RikaTan(理科の探検)』 2019年4月号において、京都女子大学名誉教授(理学博士)である小波秀雄氏によるNMRパイプテクターに対する批判が掲載された。現時点(2019年9月18日)では以下のリンク先で読める。 ■「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々 「物理的には何の意味もないガラクタでしかない」とバッサリだ。私は医学系の人間であるので、赤水解消効果についてではなく、生物学・医学関連の考察を試みたい。すでに医学的な考察は以下にリンクする「五木クリニック | 院長ブログ」で行われているが、私は違った角度

    「謎水装置」から学ぶニセ医学の手口 - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2019/10/10
  • HPVワクチンをめぐる「ファクトロンダリング」 - NATROMのブログ

    つくば市議会議員小森谷さやか氏による、ヒトパピローマウイルス(HPV)および子宮頸がんに関する誤った情報が訂正されないままでいる。 HPVワクチンによって恩恵を受ける人の推計は10万人あたり数百人というのがコンセンサス まずはコンセンサスの得られている情報から紹介しよう。HPVの慢性感染は子宮頸がんの原因だ。HPVに感染しても多くは自然治癒するが、一部は前がん病変や子宮頸がんを引き起こす。HPVワクチンは高リスク型のHPVの感染や前がん病変を予防することが確認され、子宮頸がんも予防することが期待されている*1。 もしかしたら「感染しても多くは自然治癒するならワクチン等の対策は不要だ」と考える方もいらっしゃるかもしれない。そのような方は、喫煙者の多くは肺がんにならないし、高血圧患者の多くは心筋梗塞にならないので、喫煙や高血圧に対する対策も不要だとお考えであろう。一定水準以上の医学的知識があれ

    HPVワクチンをめぐる「ファクトロンダリング」 - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2019/08/30
    “つくば市議会議員小森谷さやか氏は、「ワクチンで感染を防げる人の割合は0.007%、10万人に7人ほど」と主張している。医学的には完全に誤りだ”"厚生労働省が示してない数字を捏造"
  • 検診で乳がんが発見された人が100人いたとして - NATROMのブログ

    問題。 検診で乳がんが発見された人が100人いたとします。この100人の中で、がん検診のおかげで乳がんで死なずに済んだ人は、何人ぐらいでしょうか? がん検診を行えば何かしら治療を要するがんが見つかる。しかし、がんを発見できること自体は、がん検診が有効であることを意味しない。「手術を要するがんが見つかってよかったのではないでしょうか」に代表されるような、がん検診に関する誤解はなかなか解けない。 マンモグラフィーによる乳がん検診は有効性が証明された数少ないがん検診の一つだが、その乳がん検診の大まかな効果の大きさを理解することで、がん検診一般についての理解も進むのではないか。そういうわけで冒頭のクイズである。もちろん、検診の対象者や乳がんの診断・治療法によってこの答えは変わってくるが、だいたい、大雑把にどれぐらいなのかを推測していただきたい。 現在の日人のデータがあればいいのだが、残念ながら正

    検診で乳がんが発見された人が100人いたとして - NATROMのブログ
    maeda_a
    maeda_a 2019/07/29
    たった3人でもがん死が減る利益が害をギリ上回るから40歳以上の乳がん検診が推奨されている。http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/matome.html 利害バランスがもっとひどいがん検診は多々ある。(しかしPNの由来から解説要るんか…)