オピニオン 2022年9月4日 (日) 山梨大学学長 島田眞路、同大医学部附属病院医療の質・安全管理部特任教授 荒神裕之 一般社団法人日本感染症学会と公益社団法人日本化学療法学会は9月2日、両学会の理事長の連名で「新型コロナウイルス感染症における喫緊の課題と解決策に関する提言」を厚生労働大臣に提出した 1)。提言の核心は、現在、薬事・食品衛生審議会で議論されている国産の新型コロナウイルス感染症治療薬ゾコーバ錠125mgを早期に緊急承認することを求める内容であるが、島田は薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会の委員として、今回の提言の内容は到底、看過できず、提言を行った2つの学会に対して、大きな懸念を抱いている。...
はじめに 1月21日にJournal of Clinical Medicineに掲載され、報道でも取り上げられた私たちの研究〔Anzai & Nishiura(2021)〕について、明治大学の飯田泰之さんと経済産業研究所の中田大悟さんの2人からSNSを通じて実名でコメントをいただきました(元論文は、こちら)。SNSでは科学的議論以外に飛び火しない建設的な議論をすることが難しいですし、今私は緊急事態宣言下のデータ分析で大変多忙にしています。論文の作法としても、SNSは場外戦のようになってしまいます。ただし、日本で期せずして、一定以上に報道が広がりましたのでSNSで話題になりました。このまま放置するよりも、私が詳細を広くお返事した方が、物事が正常に進むと思って以下を執筆することとしました。 最初に申し上げますが、今回の私たちが発表した(疫学研究領域ではエビデンスレベルが低いと言われる)記述疫学
m3.com意識調査『「大野病院事件」の無罪判決から10年』には、さまざまな意見が寄せられた。その受け止め方について、主なものを紹介する。 【「医療事故で刑事責任」に疑問】 ・基本的に善意で行う医療が、逮捕の対象などになってはならない。結果がどうあれ、である。確かに不適切な治療は存在するかもしれないが、それは十分な検証を基に、注意や警告で良い。悪意があれば犯罪行為と言われても仕方がないが、そんな風に医療を行う医者はいないと信じている。【勤務医】 ・飲酒運転による業務上過失致死と、医療による業務上過失致死を同等に扱う不当なものであり、誰のためにもならないと感じました。初めから健康度が下がって受診している患者と、先ほどまでぴんぴんしている健常人とは、同等に論じることはできないと思いますが、いかがでしょうか?【勤務医】 ・刑法の過失における結果予見可能性と結果回避可能性の論理が、医療では当てはま
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