日本を代表するプロサイクリング選手、別府史之にとって過酷な条件下で自転車を走らせることはなんら特別なことではない。レース本番であれ、トレーニングであれ、容赦ない強風の真っ只中や、アップダウンの激しい山岳ルートを何時間も走るなんてよくあることだ。しかしそんな状況でも、楽しげにダンスするかのような軽快さで、1日数百キロの道を駆け抜ける。 そんな“Fumy”こと別府史之が今日訪れるのは、ロンドン郊外ウォーキングにあるマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)。F1チームの古豪、マクラーレン・ホンダの本拠地だ。現在、トレック・セガフレードに所属する別府が、どことなく所在なげに見えるのは、自分のバイクをフランスの自宅に置いてきたからだろうか。というのも今回の渡英の目的はレース参戦ではない。プロサイクリングに勝るとも劣らない激しいトレーニングで知られるF1ドライバー養成プログラムを実体験することに