目前に「引き返せぬ地点」=集団自衛権に警鐘鳴らす−作家・半藤一利氏に聞く インタビューに答える作家の半藤一利氏=10日、東京都世田谷区 国民の懸念が広がる中、集団的自衛権行使のための解釈改憲に突き進む安倍晋三首相。作家の半藤一利さん(84)の目には、今の日本と太平洋戦争へと至った戦前の様子が重なって見える。「昭和史の語り部」に、歴史からくみ取れる教訓を聞いた。 ◇言論統制「昭和のまね」 −特定秘密保護法、集団的自衛権をめぐる解釈改憲など、安倍政権下で日本の進路に関わる政策が次々と打ち出されている。 「安倍さんは『国家のかたち』を変えるための三本の矢を用意したんだと思う。第一の矢は、(改憲発議の要件を緩める)96条を改めての憲法改正。しかし、これは国民の総スカンを食ってできなかった。そこで第二の矢が特定秘密保護法。これで安倍さんは言論の自由に対する縛りを握った。第三の矢が解釈改憲で、こ