前回は、大きな資源ポテンシャルをもち、原子力代替電源として適している地熱発電に対する期待が急速に高まっていること、開発のドライバーとなる再生可能エネルギー電力固定価格買い取り制度(FIT)の条件は事業者の要望に沿って決められたことを紹介した。今回は、地下資源開発に伴うリスクにどう立ち向かおうとしているのか、国立公園内の立地は実現できるのか、温泉旅館事業者との調整はつくのか、に焦点を当てて解説する。 蒸気供給事業と発電事業に分かれていた まず地熱発電のシステムを概観してみる(資料1)。地下のマグマの熱が地中の水に触れて、熱水・蒸気が生成され、貯留層に溜まる。ここに抗井(生産井)を通して熱水や蒸気を地表に噴出させる。熱水と蒸気を気水分離機(セパレーター)を通して分離し、熱水は減圧機(フラッシャー)を通して蒸気を発生させる。この蒸気をタービンに当てて発電する。発電システムとしてみた場合、熱水や蒸
(英エコノミスト誌 2012年4月7日号) 「清潔な身体」vs「クリーンエネルギー」 日本に行ったことがある人なら誰でも知っているように、温泉での入浴には厳格なルールがある。湯船に浸かる前には身体を洗わなくてはならず、水着は禁止、そして刺青もタブーだ。しかし、温泉業界の影響力は湯船をはるかに超えて広がっている。 温泉の所有者たちは数十年間にわたって、莫大な潜在的クリーンエネルギー源である地熱の開発を封じ込めてきた。彼らは火山国の日本で熱した帯水層に手を加えたりしたら、温泉が枯渇し、汚染が進み、大切なくつろぎの空間が損なわれると主張する。 しかし、日本が原子力発電を失う瀬戸際にある中で、新たなエネルギー源に対する要望は抗し難くなっている。 原子炉20基分の地熱エネルギーが眠る国 東芝、三菱重工業、富士電機という日本企業3社で地熱タービンの世界市場の半分以上を支配しているにもかかわらず、日本自
印刷 関連トピックス九州電力東京電力 九州電力の新大分火力発電所(大分市、229万5千キロワット)が3日午前4時ごろ、供給設備の凍結によるトラブルで、全面停止した。東京電力を含む他電力6社から計240万キロワットの供給を受けて、最大電力に対する余裕(予備率)は3.3%を確保しており、計画停電はない。 九電によると、寒波のために液化天然ガス(LNG)の供給パイプに、空気を送る管が凍結。流量を調整する弁がすべて閉じたことで、燃料の供給が止まった。作業により午前9時現在で出力の3割近くが回復しており、午前10時ごろには全面的に運転を再開する見通しだ。 緊急時に節電してもらう契約をしている大口需要家46社に要請し、約30万キロワット分を抑制した。 関連リンク今冬の最大電力を更新 沖縄除く電力9社、暖房需要伸び(2/2)苅田新2号機、6月にも運転再開へ 九電、火力発電増強(1/27)九州電力の
【そもそも製造業がどの程度電力を使っているのか?】 電力使用機器の消費電力量に関する現状と近未来の動向調査 (富士経済) PDFファイルなので開く時注意 http://www.fed.or.jp/tech/2008/electricpower.pdf 本資料のp.44によれば、全体の電力の42%を製造業が使っています。 産業用(製造業)42.8% 業務用 :29% 家庭:28.2% 【そもそも日本の製造業はどれだけスゴイのか?】 日本の製造業は一体どんなものを作って、どれだけのシェアを持っているかという事は以外と知らないと思います。 主要製品・部材の市場規模と日本企業の世界シェア (2007年) 出典:一般財団法人 貿易研修センター PDFファイルなので開く時注意 http://www.iist.or.jp/wf/magazine/0767/pdf/figure1-j.pdf これを見ると
2011年3月11日の東日本大震災より以前、いったい日本の電力会社はどこにどのような発電所を持ち、どの発電所がどれぐらい発電していたのかを「見える化」したウェブサービス「日本の電力地図」を株式会社スプールが公開しました。 使用しているデータは電気事業連合会で公表されている過去の発電電力量を用いており、各地にどういった種類の発電所があるのか、どれぐらいの規模なのかが一発でわかるようになっています。 日本の電力地図(でんりょくマップ) http://www.denryoku-map.com/ 日本には北海道電力、東北電力、北陸電力、東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力という10の地域電力会社があります。それぞれの地域をクリックすることで、個別の電力会社の情報を見ることができます。例えばこれは東京電力。2010年の発電電力量は2億6407万MWh。種別でいうと火力
先日、「ニュースの深層」に出ていらした、エネルギー環境問題研究所代表の石井彰氏のお話がすこぶる納得できたので紹介しておきます。 石井先生は311以降に起こっている「原子力か、再生可能エネルギーか」という論争の幼稚さを指摘しつつ、エネルギーと地球&人類の歴史について超長期の視点から考え方の枠組みを説明されていました。 以下、自分のメモ用に「なるほど!」と思った点をまとめておきます。 その1:「電力不足」は「エネルギー不足」を意味しない。 エネルギー源とは、石油、石炭、天然ガス、太陽光線、水力、風力、原子力などの一次エネルギーを指す。電気はそれらから作られる二次エネルギーであって、エネルギーの利用形態のひとつに過ぎない。 一次エネルギー源のうち9割近くが化石燃料であり、その化石燃料は今後 2〜300年は無くならない。永久にもつわけではないが、原発があろうがなかろうが、節電しようがしまいが、10
by nofrills 東日本大震災に伴う福島第一原発の事故などにより、この夏は電力不足が予想されています。すでに各企業・自治体などが節電対策としてさまざまな対策を発表していますが、多くの企業が導入しているサマータイムや地域のイベントなどで行われる昼間の打ち水は電力消費の低減にはつながらず、かえって消費を増やしてしまうことさえあることが、産業技術総合研究所の発表により明らかになりました。 また、電力需要が供給をオーバーした際に行われる可能性のある計画停電についてもシミュレーションが行われ、大がかりな手段を取っているにもかかわらず、総合的に見ると効果が薄いという結果も発表されています。 産総研:主な研究成果 夏季における計画停電の影響と空調節電対策の効果を評価 独立行政法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)安全科学研究部門の井原智彦研究員と玄地裕研究グループ長は、夏季の計画停電やエアコンを
日本自動車工業会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)は19日の定例記者会見で、自動車業界の夏場の節電対策として7~9月の間、木、金曜日を一斉休業日とすることを表明する。代わりに土、日曜日は操業する。全国の工場が対象。志賀会長は業界単位で休日を振り替える策を他の業界にも呼びかける。自工会に加盟する14の会員企業のうち、川崎重工業を除いた13社が一斉に木・金曜
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