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  • AIは国家間のパワーバランスや軍事をどう変えるのか──『AI覇権 4つの戦場』 - 基本読書

    AI覇権 4つの戦場 作者:ポール シャーレ早川書房Amazonこの『AI覇権 4つの戦場』は、無人兵器についてのノンフィクションで邦でも高く評価された『無人の兵団』著者の最新作で、タイトルの通りAIをめぐる国家間の争い、その行方について主に4つの視点から考察していく一冊になる。 AIの時代にどの国が軍事、経済、政治力で強みを握るかをもっと理解するには、データ、計算、人材、機構という四つの重要な領域をさらに深く掘り下げる必要がある。 著者はもともと米海軍のレインジャー部隊員としてイラクとアフガニスタンに出征。狙撃兵などとして活躍した後、2008〜13年まで米国防総省(ペンタゴン)で自律型兵器に関する法的・倫理的課題と政策を研究していた人物だ。ようは軍事と国防関連の知識が豊富な軍事アナリストで、書にはその知識や経験が存分に活かされている。 近年生成系AIは飛躍的な進歩を遂げ、GPT-4だ

    AIは国家間のパワーバランスや軍事をどう変えるのか──『AI覇権 4つの戦場』 - 基本読書
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    magnitude99 2024/05/30
    国家より日常生活にこそ危機が在る。「超監視社会」ブルース・シュナイアー 暗号研究者、コンピュータ・セキュリティの世界的権威。DATA and GOLIATH → https://www.soshisha.com/book_search/detail/1_2237.html?mode=detail&type=1&search_word_g=2237
  • 気候変動から地球空洞説まで、巨大な「地球」をテーマにしたことで作家の味が色濃く滲み出た極上のSFアンソロジー──『地球へのSF』 - 基本読書

    地球へのSF (ハヤカワ文庫JA) 早川書房Amazonこの『地球へのSF』は、日SF作家クラブ(SFやファンタジイに関係する人々が集まっている業界団体)編による書き下ろしアンソロジーの第四弾。第一弾は感染症をテーマにした『ポストコロナのSF』、第二弾は近未来テーマの『2084年のSF』。第三弾は『AISF』ときてこの第四弾のテーマは「地球」とかなり大きく出ている。 これまでのテーマがトピックスとしては絞られていた一方、作は「地球」だけデデドン! と出ていてそれ以外の縛りがないので抽象的になりすぎやしないか、と読み始める前は心配していたが、これがおもしろい! 総勢22名の作家──小川一水もいれば新城カズマも、上田早夕里も円城塔もいる──が思い思いの方法でこの巨大な地球と四つにくみあって、みなが独自のやり方でこの地球を調理している。 多様なテーマ・描き方が揃ったアンソロジー たとえば2

    気候変動から地球空洞説まで、巨大な「地球」をテーマにしたことで作家の味が色濃く滲み出た極上のSFアンソロジー──『地球へのSF』 - 基本読書
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    magnitude99 2024/05/22
    CO2の大気中の割合が0.04%で安定しているという科学的事実と、太陽活動の短中長の周期変動が地球気温を決定付ける基本的要因である事が、テレビ新聞のクソメディアから洗脳された日本の間に普及が進むのだろうか。
  • 物理学・生物学的に考えた時、地球外生命体はどのような機能を持っているのか──『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』 - 基本読書

    まじめにエイリアンの姿を想像してみた 作者:アリク カーシェンバウム柏書房Amazonこの『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』は、書名だけみると小学生ぐらいの夏休みの自由研究みたいだが、実際は動物学者の著者が、生物学、物理学など科学の知識を総動員して「地球外生命体の機能や生態はどのようなものでありえるのか? 逆に、どのようなものではありえないのか?」を考えていく一冊になる。 化学のや生物学ので、一章ぐらいこのテーマに割いているは少なくないが、まるまる一冊地球外生命の生態を考察しているは珍しい。そもそも、「地球外生命体って、誰も見たことがないんだから想像しようがなくない? ソラリスの海みたいなやつだっているかもでしょ」と疑問に思うかもしれないが、世界は物理法則に支配されているわけで、この宇宙の生き物である以上、制約から逃れることはできない。 地球には現状、空を飛ぶクジラのような、

    物理学・生物学的に考えた時、地球外生命体はどのような機能を持っているのか──『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』 - 基本読書
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    magnitude99 2024/04/18
    ホーキング博士が言い遺したのは「地球外生命体は友好的なのか?肉食ではないのか?人類が彼らに全く未知である限り彼らとの接触を試みるのは危険でしかない。直ぐに探索電波を中止し、人類の存在を隠すべきだ」。
  • なぜ言論の自由は前進と後退を繰り返すのか──『ソクラテスからSNS: 「言論の自由」全史』 - 基本読書

    ソクラテスからSNS 「言論の自由」全史 作者:ヤコブ ムシャンガマ早川書房Amazonこの『ソクラテスからSNS』は、紀元前の古代アテナイの時代からはじまって、インターネット時代である21世紀の現代に至るまで、世界中の「言論の自由」をめぐる事件や動きを取り上げていく、「「言論の自由」全史」に嘘偽りない内容である。 言論の自由は昨今突然現れた概念ではない。古代アテナイの政治家、ペリクレスは紀元前431年に開かれた議論、反対意見の許容といった価値観を称揚したし、9世紀、自由思想家、イブン・アル・ラワンディはアッパース朝で預言者や聖典にたいして疑問を呈した。その後も印刷技術の誕生による出版物の大規模な増加など、各種イベントに呼応する形で、言論の自由は前進と後退を繰り返してきた。 言論の自由が抑圧されると社会では何が起こり得るのか。言論の自由が良いものだとして、ヘイトスピーチやフェイクニュースの

    なぜ言論の自由は前進と後退を繰り返すのか──『ソクラテスからSNS: 「言論の自由」全史』 - 基本読書
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    magnitude99 2024/04/13
    言論の自由の空間と時間を置けば、そこで敵性意見が数多く出現し、潰すべき相手を発見選別出来る。その次に相手を具体的に潰して行くというのが、言論の自由と検閲弾圧を繰り返す世界の支配階級0.1%層の戦略だ。
  • 遺伝子特許の是非を問い、不可能に挑戦した人々の物語──『ゲノム裁判――ヒト遺伝子は誰のものか』 - 基本読書

    ゲノム裁判――ヒト遺伝子は誰のものか 作者:ジョージ・L・コントレラスみすず書房Amazonこの『ゲノム裁判』は、ヒトの遺伝子に特許が認められるのが当たりまえだった時代のアメリカで「誰かが発明したわけでもない、自然に存在するヒト遺伝子に特許が認められるのは人間の権利の侵害といえるのではないか?」と疑問を抱き、歴史的な裁判を起こし、最高裁で判決が下るまでの流れを記録した一冊である。 遺伝子特許がとられると何が起こるのかと言えば、特定の疾患のリスク要因となっている遺伝子を検査する時に特許使用料をとれるので、ほぼ独占的に検査ができるのである。しかしそれは検査を行いたい個人からすればはなはだ不都合な状態だ。 普遍的な書名に惹かれて買ったので、読み始めてから「アメリカの裁判の話なのか〜」と若干読む気が失せたのだが、読み進めてみたらこれが意外なことにめちゃくちゃおもしろい! 「自然の産物」ついての特許

    遺伝子特許の是非を問い、不可能に挑戦した人々の物語──『ゲノム裁判――ヒト遺伝子は誰のものか』 - 基本読書
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    magnitude99 2024/04/05
    人類の歴史では、性善説や理想論が悪魔の仕事を隠して来た。全人類を殺すウイルスなどの生物化学兵器がAIで容易に造られる。正しくナントカに刃物、ターミネーターの世界、21世紀のフランケンシュタイン博士だ。
  • 竹書房文庫のSFで電子書籍セールが開催しているので、おすすめを紹介する - 基本読書

    竹書房文庫から刊行の《竜のグリオール》シリーズ全作刊行を記念して、竹書房文庫の中でもSFに絞った電子書籍セールが開催されているので(13日まで)、竹書房文庫の布教ついでに紹介しようかと。竹書房はSFのイメージは持たれていないかもしれないが、近年はSF好きの編集者ががんばったおかげで竹書房文庫からばんばんSFが(翻訳SFが多いが、日SFもある)出ていて、しかもどれもおもしろいAmazon.co.jp: 竹書房文庫 SF: Kindleストア 書評家や作家といった業界関係者による投票でランキングを決める年刊ムック「SFが読みたい!」でも竹書房文庫発の作品がいくつも名を連ねるなど、竹書房は今やSFを語る上では外せない出版社の一つになっている。特徴の一つと言えるのは竹書房文庫のSFのほとんどを坂野公一がデザインしており、作品によってはかなり攻めた文庫の装幀がみられること。鮮烈なイメージを残す

    竹書房文庫のSFで電子書籍セールが開催しているので、おすすめを紹介する - 基本読書
    magnitude99
    magnitude99 2023/11/06
    電子書籍は現代の「焚書」だ。IT技術は、世界の支配階級0.1%層にとって、最も効果的に、最も迅速に、最も広範囲に、情報を恣意的に選択し、改変し、歪曲し、矮小化し、隠ぺいできる、史上最強の「独占的武器」だ。
  • 入り組んだイスラエルの歴史、その問題を、解きほぐすように解説していくノンフィクション──『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』 - 基本読書

    イスラエル 人類史上最もやっかいな問題 作者:ダニエル ソカッチNHK出版Amazon2023年の10月7日に勃発した、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃。件については今なお目まぐるしく状況が動いていて日々ニュースが絶えないが、その背景には複雑な歴史や思想があって素人が理解するのは容易ではない。Web記事なども多数読んだが、まとまった情報がほしい時はやはり書籍に限る。 いくつか読んだが、中でもイスラエルの民主主義を達成させるためのNGO、「新イスラエル基金」のCEOの著者ダニエル・ソカッチによる『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』は今年(2023年)の2月に刊行されたばかりのノンフィクションで、現在の事態をフラットに、かといって事実を列挙するだけではない形でイスラエルーパレスチナ間の問題を説明していて、特におすすめの一冊だったので紹介したい。 著者は書を、ある特定の

    入り組んだイスラエルの歴史、その問題を、解きほぐすように解説していくノンフィクション──『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』 - 基本読書
    magnitude99
    magnitude99 2023/10/31
    パレスチナ人の生き地獄は80年続いている。WW2時、SSアイヒマンとシオニストは協力して反シオニストを収容所に送り、イスラエル建国の正当性を演出したが、戦後に逃げたアイヒマンはモサドに逮捕され死刑で口封じ。
  • アンチ優生学の立場で、遺伝がもたらす人生への影響を「平等」の観点から考え直す──『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』 - 基本読書

    遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる― 作者:キャスリン・ペイジ・ハーデン新潮社Amazon近年、遺伝子研究が進展してきたことで身長や顔といった見た目の要素だけでなく、「学歴」のような生涯収入やそれに伴う生活の質に直結する部分も遺伝子の影響を受けることがわかってきた。しかしそうしたデータは気軽に世に出すと、何度否定されても議論が絶えることのない優生学や、何をもってして社会は「平等」や「公平」といえる状態になるかといった、簡単には答えのでない議論を呼び込むことになる。 しかし、実際に遺伝子によって学習能力や最終学歴に差が出るのであれば、議論が難しいからとか、遺伝による差が明らかになると優生学に結びつく可能性があるからと危惧し「遺伝的な差異をなかった/見なかった」ことにするのは間違っているのではないか。それ──遺伝的な差異による富の格差──がある前提で、平等についての議論を進める必要があるの

    アンチ優生学の立場で、遺伝がもたらす人生への影響を「平等」の観点から考え直す──『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』 - 基本読書
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    magnitude99 2023/10/26
    人間の能力を現代資本主義社会の物差しで計る時、学歴、職種、財力、そうした目に見えて分かる外形で奴隷の価値評価をするが、性的魅力、性的能力、指導統率力、信頼性、実行力、行動力等は「人間力」に他ならない。
  • 欧米で話題沸騰の気候変動にまつわるすべての領域を描き出そうとした野心的な気候変動SF──『未来省』 - 基本読書

    未来省(The Ministry for the Future) 作者:キム・スタンリー・ロビンスン,坂村健パーソナルメディアAmazonこの『未来省』は、『レッド・マーズ』、『グリーン・マーズ』、『ブルー・マーズ』の三作からなる火星三部作や『2312 太陽系動乱』などで知られるキム・スタンリー・ロビンソンが2020年に刊行した気候変動SF長篇だ。キム・スタンリー・ロビンソンは「細部へのこだわりと、世界や社会、人類といった大きなものをまるごと描こうとするヴィジョン」のどちらもを持ち合わせる稀有な作家だが、作は”気候変動vs人類”という中心テーマに対して、その才能をいかんなく発揮している。 最初に概要と総評を紹介する 近年実際に災害が増えていることもあって、気候変動をテーマにした小説(Climate Fiction)は欧米で伸びているジャンルだが、作は数あるcli-fiの中でもとりわけ大

    欧米で話題沸騰の気候変動にまつわるすべての領域を描き出そうとした野心的な気候変動SF──『未来省』 - 基本読書
    magnitude99
    magnitude99 2023/09/22
    「CO2地球温暖化」では具合が悪いと見えて、今「気候変動」と言い換えの真っ最中だが、200~300年前からの精度劣悪な観測機と、限定的な観測地点の観測値を以って、全球熱帯もあった地球46億年にCO2温暖化で商売か?(笑
  • 地球温暖化が進んだ時、我々はどこに逃げるべきなのか?──『気候崩壊後の人類大移動』 - 基本読書

    気候崩壊後の人類大移動 作者:ガイア・ヴィンス河出書房新社Amazon暑い日が続く今日この頃。日国内は避暑で逃げようにも北海道ですら歴史を更新する猛暑が続き、どこに行けばいいのかと途方にくれてしまいそうになる。しかも、地球温暖化は続くのだ。このままだと、国外に居住地を移す人も増えてくるだろう。 書『気候崩壊後の人類大移動』は、そうした「人類大移動」の未来について書かれた一冊だ。我々はいつ、どこで、誰が移住を強いられるのか。我々はどこに行くべきなのか。また、そんなにたくさんの人類が移動することに現行のシステムはとても耐えられそうにないが、では今後世界はシステム・運用方法をどうかえていけばいいのだろうか。書は国境問題や移民政策、糧問題にジオエンジニアリングに都市計画まで、気候変動をとっかかりに無数のジャンルを網羅し検証していく科学ノンフィクションで、暑さに参ってしまっている人にオススメ

    地球温暖化が進んだ時、我々はどこに逃げるべきなのか?──『気候崩壊後の人類大移動』 - 基本読書
    magnitude99
    magnitude99 2023/08/27
    大気中のCO2濃度は今日も鉄壁の0.04% 。情緒的表現や、特定物質の分量のppmを用いて数値を都合よく利用する情報操作は国際的規模だ。「地球温暖化」の不都合な真実・日本評論社→ https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8054.html
  • 所有は人を幸福にするか?──『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』 - 基本読書

    人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念 作者:ブルース・フッド白揚社Amazon人間にとって「所有」とは重要な概念だ。何一つ持たずに暮らしている人などそうそういるはずもないし、年末年始には毎年何を買って(所有して)良かったのかの振り返りが上がる。車や家など、所有がそのまま人生やその人の価値観や立場をあらわすステータス、象徴になるものも多い。所有しているものは自分の一部なのである。 われわれは新しいモノを買って所有しても、次はさらにもっと良いものを所有できないかと考える。その欲求には終わりがない。モノを所有することで、人はそれが奪われたり損なわれたりするのを恐れるようになり、行動に歪みが出ることもある。 モノを所有することで幸せになれると私たちは考える。だがむしろ、所有によってかえって惨めさが増すことも少なくない。富の蓄積にやっきになった一生をふり返り、「ああ、いい人生

    所有は人を幸福にするか?──『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』 - 基本読書
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    magnitude99 2023/01/08
    個人所有が権利として法的に認められてこそ、政府や自治体、国際資本に対しても法的根拠を以って個人の自由支配を主張出来る。それを認めなければ、中国の様に支配層だけが権益を得る超国家主義経済が出来上がる。
  • 2033年、中国の日本侵攻によって東京が東西で分断された世界での事件を追うSFミステリ─『九段下駅 或いはナインス・ステップ・ステーション』 - 基本読書

    九段下駅 或いはナインス・ステップ・ステーション (竹書房文庫) 作者:マルカ・オールダー,フラン・ワイルド,ジャクリーン・コヤナギ,カーティス・C・チェン竹書房Amazonこの『九段下駅 或いはナインス・ステップ・ステーション』は、マルカ・オールダー、フラン・ワイルド、ジャクリーン・コヤナギ、カーティス・C・チェンの4人の作家陣が送る近未来(2033年)の東京を舞台にしたSFミステリの連作小説だ。 近未来、外国人視点で日を舞台にして書いたSF小説──というと謎のニンジャが暗躍していたり相撲取りが異様に強かったり、ニンジャスレイヤー的なトンチキ日観がまっさきに思い浮かぶ。だが、作は書名が『九段下駅』と日人しかわからないような駅名が入っているように、日の描写──それもお台場ガンダムであったり、ほっかほっか亭であったり、紛争の火種となる靖国描写であったりといった微妙にローカルな日

    2033年、中国の日本侵攻によって東京が東西で分断された世界での事件を追うSFミステリ─『九段下駅 或いはナインス・ステップ・ステーション』 - 基本読書
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    magnitude99 2022/09/29
    既に日本の企業や資本には中国系の資本と人脈、その代理人たる半島系の人脈が広く深く入り込んで日本全体が乗っ取られているのだから、その現実を突き付けられている今は、小説の舞台設定は最早陳腐になっている。
  • すべてが成長する時代は終わり、素晴らしい停滞の時代が始まる──『Slowdown 減速する素晴らしき世界』 - 基本読書

    Slowdown 減速する素晴らしき世界 作者:ダニー・ドーリング東洋経済新報社Amazonこの『Slowdown 減速する素晴らしき世界』は、世界人口の増加も、経済の発展も、平均寿命も、負債も、技術革新も、すべての「加速」が終わって減速、あるいは停滞に向かうことを各種データから示していく一冊だ。加速する世界がいいもので、停滞は悪いものだとする価値観があるが、書は副題に「素晴らしき世界」と入っているように、決して次にくる停滞の世界が「悪いものである」という立場をとらない。 たとえば世界の人口はこの先一度100億〜110億あたりで天井へと至り、その後急速に減少していく。個々の国々からしてみれば人口が減少することは生産年齢人口が減ってGDPも税収も減少し国内市場が減少しと良いことがないが、世界的にみればこれは朗報だ。人数が少なければ少ないほどスムーズな意思決定が可能になる。ゴミを出し、エネル

    すべてが成長する時代は終わり、素晴らしい停滞の時代が始まる──『Slowdown 減速する素晴らしき世界』 - 基本読書
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    magnitude99 2022/08/23
    時代が始まる?経済の変調は自然現象か?違うだろ?世界経済の仕組みを支配する0.1%層が経済構造の破壊と再構築をする時、0.1%層以外の者全ては一気に全財産を0.1層に吸い取られる。それが世界戦争、世界同時革命だ。
  • 億万長者は金とその影響力によって政治を好き勝手操作する──『ダボスマン 世界経済をぶち壊した億万長者たち』 - 基本読書

    ダボスマン 世界経済をぶち壊した億万長者たち 作者:ピーター・S グッドマンハーパーコリンズ・ジャパンAmazon「ダボスマン」とは、スイスのダボスで行われる世界経済フォーラム総会(ダボス会議)に参加する億万長者たちの呼称である。大勢いるが、有名所では、アマゾンのジェフ・ベゾス、投資ファンド運営の大物スティーヴ・シュワルツマン、合衆国最大の銀行を切り盛りするジェイミー・ダイモンといった面々のことを指している。 で、書は副題に「世界経済をぶち壊した億万長者たち」とあるように、ダボス会議に参加する億万長者たちを非難する一冊である。こうした億万長者たちはダボスに集まって気候変動や感染症、ジェンダー間の不平等といった話題について、国家の枠を超えて対処が必要な多くの議題を討論する。ダボスマンは表向きは世界のため、地球のために私財をなげうってでも献身する──そんなイメージを発している。 たしかに彼ら

    億万長者は金とその影響力によって政治を好き勝手操作する──『ダボスマン 世界経済をぶち壊した億万長者たち』 - 基本読書
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    magnitude99 2022/07/21
    億万長者(笑)なんてロスチャイルド財閥やロックフェラー財閥にとって、投資に利益をもたらす畑と肥し、それともゴミだ。彼らの様に数千兆円或いは京円の単位で資産を有する財閥だけが真の支配階級0.1%層だ。
  • 科学とSFの永続的な相互作用について──『こうして絶滅種復活は現実になる:古代DNA研究とジュラシック・パーク効果』 - 基本読書

    こうして絶滅種復活は現実になる:古代DNA研究とジェラシック・パーク効果 作者:エリザベス・D・ジョーンズ原書房Amazonマイケル・クライトンによるSF小説『ジュラシック・パーク』が刊行されたのは1990年のこと。小説の時点で世界的なベストセラーになっていたが、その後スピルバーグ監督によって同名映画として制作さあれ、アメリカで公開されるとその人気は爆発し、2020年代に入ってもなお盛況にシリーズ続編が公開されるほどになっている。 長い間愛されるのにはそれだけの理由がある。たとえば、原作『ジュラシック・パーク』における、琥珀の中にいる蚊に含まれた恐竜の血液から古代の恐竜を現代に蘇らせ、それが惨劇の引き金になる──という根幹設定は抜群に優れている。『ジュラシック・ワールド』として、前作よりも規模感を増し、現代ならではのCGクォリティでシリーズを新しく蘇らせた設定の妙もあるだろう。だが、一番大

    科学とSFの永続的な相互作用について──『こうして絶滅種復活は現実になる:古代DNA研究とジュラシック・パーク効果』 - 基本読書
    magnitude99
    magnitude99 2022/06/28
    商売、商売。支配階級0.1%層は、カネ儲けの為なら、数十万人、数百万人の大量殺人に関わった者たちを英雄扱いする。全ての世界の歴史と現実は、詐欺・洗脳と暴力で支配する紳士面した超絶的階級社会の反映だ。
  • がんを根絶するのではなく、コントロールするという選択肢──『がんは裏切る細胞である――進化生物学から治療戦略へ』 - 基本読書

    がんは裏切る細胞である――進化生物学から治療戦略へ 作者:アシーナ・アクティピスみすず書房Amazonこの『がんは裏切る細胞である』は、書名通りがんについて書かれた一冊である。がんがどのように生まれ、現代まで生き残ってきたのか。いま、どこまで研究が進展しているのか。なぜ転移し、がんを根絶することが今までできていないのかといった基的なところから、新しい切り口として、これまで「排除すべき敵」として捉えられてきたがんを、「厄介なルームメイト」として捉え直し、完全な排除を目指すだけではなく共に生きていけるようにコントロールする治療法について書かれている。 え、それは抗がん剤を使わないなどのインチキ医療のこと? と思うかも知れないが、そうではない。がんは多細胞生物である以上まず発生するもので、それを抗がん剤などで完全に根絶しようとしても、がん細胞が進化し抵抗性が生じることで治療が不可能になってしま

    がんを根絶するのではなく、コントロールするという選択肢──『がんは裏切る細胞である――進化生物学から治療戦略へ』 - 基本読書
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    magnitude99 2021/12/18
    がんを根絶する努力で、コロナを根絶するのが良いのでは?ただ、それは「お注射」企業と投資家が嫌がるけど(笑)。
  • 世界のワクチン接種運動を考え直すためにも重要な一冊──『ワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのか』 - 基本読書

    ワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのか 作者:ハイジ・J・ラーソンみすず書房Amazonこの『ワクチンの噂』は、ワクチンの信頼性をめぐる国際的な研究プロジェクトなどに関わってきた人類学者のハイジ・J・ラーソンが「ワクチンにまつわる嘘・デマの拡散」について書いた一冊である。ワクチンは、発熱などのリスクはあるものの、病気が発症するのを防いだり、症状を和らげたりしてくれる重要なものだ。 しかし、ワクチン接種にはそれが科学的に説明されている以上に危険なものだという噂や疑念がつきものであり、そういったことはエビデンスもないしありえない、と説明が何度なされても、それを信じる人達は納得しない。では、なぜそんなことが起こってしまうのか。どうやって噂は広まっていき、誰がそれを受け入れるのか。ワクチンに関して、状況を改善するためには何をすべきなのか──について書かれていく。 書が前提としてい

    世界のワクチン接種運動を考え直すためにも重要な一冊──『ワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのか』 - 基本読書
    magnitude99
    magnitude99 2021/11/20
    感染症学のみに偏向して、伝播感染と免疫学の重要な課題や治験期間、PCR検査の劣悪な精度などの重要な問題を封殺して通り、一方通行的に「お注射」を推進する非科学性と、投資利益追求の冷酷な資本主義社会の現実。
  • 資本主義以外の選択肢を模索する、経済学者・政治家によるSF経済書──『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』 - 基本読書

    クソったれ資主義が倒れたあとの、もう一つの世界 作者:ヤニス・バルファキス講談社Amazonこの『クソったれ資主義が倒れたあとの、もう一つの世界』は、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』などで知られる経済学者にして政治家のヤニス・バルファキスによる、資主義に代わる制度についての提言を記した書というか、SF経済書というかといった感じの一冊である。 体裁としては完全にSF小説で、物語で中心になる時代は2025年と現代よりも少し先の未来。中心人物であるギリシャに住むコスタは、ユーザーの欲望を読み取り、それを擬似的に(脳内で)体験させる装置であるHALPEVAMと呼ばれるシステムを構築する過程で、偶然にも平行世界の自分と通信を確立することに成功し、自分(同名の人物でややこしくなるので、作中ではコスティ)とのやりとりを開始することになる。 で、このコスティ

    資本主義以外の選択肢を模索する、経済学者・政治家によるSF経済書──『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』 - 基本読書
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    magnitude99 2021/09/25
    今のクソな資本主義・国家資本主義経済から、更に過酷な監視管理社会、人間牧場の超国家資本主義経済へと99%層を洗脳し誘導しているのが、世界の支配階級0.1%層だ。→http://www.nn.em-net.ne.jp/~komoda/GPandGGpart5.html
  • フェイクニュースやSNSの影響を意外と人は受けない──『人は簡単には騙されない: 嘘と信用の認知科学』 - 基本読書

    人は簡単には騙されない: 嘘と信用の認知科学 作者:ヒューゴ・メルシエ発売日: 2021/02/25メディア: 単行世界にはプロパガンダにフェイクニュース、根も葉もない噂の蔓延が起こっていて、ほとんどの大衆はそうした「誰かの行動を操りたい人たちによって放たれた情報に騙されている」。──というのが昨今支配的な空気、雰囲気だと思うが、実際にはそんなことはない。人は意外と簡単には騙されないものなのだ、ということを主に認知科学の側面から解き明かしていくのが書『人は簡単には騙されない』である。 私たちは、たとえ大多数の意見や、カリスマ的な有名人が支持する見解であったにせよ、言われたことを何でも無批判に受け入れたりはしない。それどころか、誰を信じればよいのかを見極めることに長けている。敢えて言えば、人はいとも簡単に他者の影響を受けるのではなく、むしろ非常に受けにくいというのが現実である。 上記引用

    フェイクニュースやSNSの影響を意外と人は受けない──『人は簡単には騙されない: 嘘と信用の認知科学』 - 基本読書
    magnitude99
    magnitude99 2021/03/01
    日本人は相変わらずいとも簡単に支配層に騙されているさ(笑)。コロナ・スリラー劇場ですっかり洗脳され、コロナ脳になったじゃないか。報道の自由度ランキングー世界経済のネタ帳→https://ecodb.net/ranking/pfi.html
  • 寿命が短くなっていく国アメリカで何が起きているのか──『絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの』 - 基本読書

    絶望死のアメリカ――資主義がめざすべきもの 作者:アン・ケース,アンガス・ディートン発売日: 2021/01/18メディア: Kindleアメリカでは今、絶望死が増えている。絶望死とは、アルコールや薬物依存による死亡、自殺の死因をまとめたもので、45歳から54歳の白人男女による絶望死は、90年には10万人中30人だったのが、17年には10万人中92人まで増えた。自殺率も、アルコール性疾患による死亡率も、薬物の過剰摂取による死亡率も増加している。 20世紀から21世紀にかけて、糧事情も改善し医療の発展があったこともあって、死亡率は改善されてきた。アメリカでも、45〜54歳の白人が心臓病で死ぬリスクは、80年代までは年平均4%で落ちていた──が、90年代には2%に鈍化、00年代には1%にまで落ちて、10年代からは逆に上がり始めた。ここでは中年の白人に限定しているが、若年層の絶望死も増えて

    寿命が短くなっていく国アメリカで何が起きているのか──『絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの』 - 基本読書
    magnitude99
    magnitude99 2021/02/12
    支配層は本質的に敵対関係にある99%層を削減し、権力強化に最も効率的効果的なIT社会を構築する。映画イリジウム→https://eiga-watch.com/elysium/ グローバル主義とエリート革命→http://www.nn.em-net.ne.jp/~komoda/GPandGGpart5.html