兄妹トキのつがい=佐渡市、環境省提供 【小林哲】トキが放鳥されている新潟県佐渡市で、同じ両親から生まれた「兄妹」トキのつがいにヒナの誕生が近づいていることを受けて、環境省は4日、緊急の専門家会議を開いた。近親交配で生まれた個体が自然界で交配を続けると将来的に集団全体が病気などで絶滅するリスクが高まるとして、ヒナが誕生した場合は10日以内に捕獲し、隔離して人工飼育する方針を決めた。成鳥になっても交配はさせないという。 環境省によると、野生下にいる放鳥トキは63羽にのぼり、2日時点で17組のつがいの営巣が確認された。うち2組が「兄」と「妹」で、いずれも卵を抱いている。ほかにも同じ両親から生まれた1組が営巣していることも分かった。 トキは2003年に国産の個体が絶滅した。放鳥トキはすべて中国から来た1組のつがいの子孫で、多くが「きょうだい」や「いとこ」の関係にある。緊急会議では、「兄妹」の